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037.合わせ技とニンマリ

ヒャド系の呪文ってかっこいいですよね。

 合わせ技……か。

以前、僕と翔子で「水の東西」と「水泳」でやったようなコンビネーション技のことを言っているのだろう。


「オッケーいいよ。どんな技にするんだ?」

「英語と国語の本質は同じ「言語」。だから英語と国語で同じような意味の力を使えば単純に力が倍になると思うの」

ふむふむなるほど、その考えはとても面白いと思った。

コンビネーションといってもどっちかがどっちかを助けるわけじゃなくて威力を強化するのか。

「たとえば、blizzard!」


 そう麗花が言うと、景色が吹雪に変わる。

「これと杏介の「てぶくろをかいに」を合わせると吹雪の威力が増したりしないかしら?」

「いや、僕の「てぶくろをかいに」はあったかい雪をイメージしちゃってるから攻撃には向いていないと思う」

何か共通する力があればいいが……。


 ん?そうか、吹雪がダメでも。

「麗花、つらら出せるか?」

「え、ええ、icicle」

つららが木に刺さる。


「霜のいと白きも」

つららが木に刺さらず木に跳ね返される。


「…………」

「…………」


 は、恥ずかしい。

ここまで威力に差があるとは。

ねぇちゃんみたいに上手くはいかないか。


「お、同じつららなら威力が増すんじゃないか?」

「そうね、やってみましょ、私たちのちょうど真ん中の位置につららをつくるイメージよ」

「お、おう」


「icicle」

「霜のいと白きも」


ガキィィンと、巨大なつららができあがる。

「おおおお!」


 ヒュと、麗花が手を木の方に向けつららが飛んでいく。

つららは木を貫通しどこまでも飛んでいく。

すげえ。

某氷系呪文みたいだ。


「やっぱり、二人分の教科だと威力が増すわね」

「おう、それに麗花のblizzardとも「てぶくろをかいに」じゃなくて、「枕草子」ならさらに強化できるかも」

やってみましょ。

その後、様々な技を試した。

網代山は教科の力が出しづらい環境だと聞いていたが、もう息苦しさというか、出しづらさは感じない。

それだけ教科が強化されたということなんだろうか?



「二人とももうお昼よ、ご飯にしましょ」


 不意に声をかけられる。

翔子と綾香さんだった。

「もう、杏ちゃん、点呼のあとすぐにどっかいっちゃうんだから。綾香さんに場所聞いたのよ。もう」

なんか保護者みたいだった。

「どうしても泉君の場所を知りたいというのでお教えしてしましました。まあ、影で探ったんですけれど」

なるほど、網代山では悪さはできないな。


「お母さん……わかったわ、杏介ありがと。とてもいい練習になったわ」

「おう、麗花もありがとな。すごく参考になったよ」


「きょ、杏介?……いつの間に名前呼びに……」

「まあまあ、さすが私の娘ね」

翔子は膨れ顔で綾香さんはニンマリしていた。

とても幽霊には見えない顔だった。


 宿舎に戻ると、もうみんながいてご飯を食べていた。

良く考えたら8時から14時までぶっ続けで教科の時間なんて疲れて当然だ。

みんな早く帰りたいというような顔でヘロヘロだった。

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