表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/161

036.合宿二日目と勘

 男子高校生の朝は遅い。

とはいえ、合宿や宿泊研修に限っては例外だった。

一番早起きは僕。

二番目は二谷、最後は快斗だった。

快斗は起きるのは苦手なのか。

せっかちにしては珍しい。


 朝食を手短に済ませ、集合時間である8時に間に合うように支度を整える。

ちなみに朝食は綾香さん特性のおにぎり。

超美味かった。


 8時ギリギリに集合場所である宿舎入り口の開けた場所に行くと、僕たちが最後だった。

みんな5分前行動を徹底している。

ここらへん、小室先生の教育の賜物なのだろうか。

「よし、全員揃ったな。昨日は満点の星空だったが、良く眠れたか?」

ん?なんで小室先生が満点の星空だって知ってるんだ?

何か引っかかったが、深くは考えないようにした。


「14時に網代山を出発する。それまで存分に教科の力を鍛えるように。以上」

だから大雑把すぎるって。

具体的な指示はねーのかよ。

「やることがわからないものはもう一度山頂を目指すといい。影を配置するよう頼んでいるからいい鍛錬になるだろう」

おお、さすが教師、準備は万端ってわけね。


 さて、僕は今日は何をしようか。

昨日と同じ場所にいってまた色々試そうかな。

そんなことを考えていると、後ろから袖を引っ張られる。

この袖の引っ張られ方、もしや、

「麗花?」

「わ、振り向いていないのに良くわかったわね」

「勘だよ、勘」

袖の引っ張り方で見分けたことは黙っておこう。


「試したいことがあるの、昨日あなたが修行してた場所へ行きましょう」

「ちょ、ちょっと待ってよ、なんで麗花が昨日僕が修行してた場所知ってるんだよ?」

「……お、お母さんにきいたの」

なるほど、それなら知ってて当然か。

まさか僕を尾行していたなんてことはあるまい。

僕は麗花とともに昨日と同じ場所へ向かった。

山のちょうど真ん中らへん。

近くに川も流れていて、何より、僕が薙ぎ倒した木々の傷が新しい。

これを僕がやったと思うと流石にちょっと罪悪感があった。


「それで麗花、何を試すんだよ?」

「それはね、きょ、杏介…」

おお、ついに麗花が僕のことを名前で……。

感慨深かった。

「何かうわついたことを考えていないかしら?」

「い、いや考えてないよ。やっと名前でとか微塵もかけらもこれっぽっちも考えてないよ」

「……もう」

耳が真っ赤だった。


「それで麗花、何を試すんだよ?」

仕切り直し。

「それはね、合わせ技よ」


「合わせ技?」

毎日更新を目指します!

感想、評価、ブックマーク、なんでも励みになってます!

よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ