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031.妖刀と握手

僕らの青春、ルロイ修道士。

「ったく、倉本のやつは何をやってるんだ?」

「倉本は白地図の影響受けてないのか?」

「白地図は範囲内の全員に影響が出る。ただ倉本は能力を知ってるから菅原や二谷より先に白地図を埋めているはずなんだが」


 ようやく理解がおいついた。

峯岸は結構プライド高そうだから3対1でも誘いに乗ってくるのと思っていた。

だが、実際には倉本を連れてきた。

僕ら3人が白地図を埋める時間を取らせないために単純にマンパワーが欲しかったのだ。

ただ快斗がああやって走り回ってるってことはあっちは2人に任せて良さそうだな。


 さて、あとは僕が白地図を埋めて峯岸を倒すだけだ。


「村正」


 さっきのヤバそうな斬撃がくる。

僕はてぶくろを装着した手で受け止める。


「ふん、そのてぶくろ、相当思い入れがあるようだな」


 幸いなことに峯岸の村正では僕のてぶくろは切れないようだ。

これも思い入れの差なのか?

きっと峯岸は歴史より地理の方が得意なのだろう。


「妖刀、村正!」

「!?」


 これはっ……明らかにさっきより勢いが強いっ……!

僕はてぶくろで受け止めずに横に飛んで回避した。

ズテーンと漫画みたいに無様にこけたけど。


「知ってるか?村正は「妖刀」らしいぜ。切れ味はそりゃ抜群……って俺の声は聞こえてないようだな。まだここの白地図は埋め終わってないようだ」


 峯岸の気配が消える。

当然声もしなくなる。

くそ、何かないのか、地の利をひっくり返す方法は。

白地図を全部埋める方法はないのか。

何か何か何か……。

……ん?地の利?

待てよ、峯岸は自分で白地図を展開しているから全て埋め終わっているはず。

それに対して僕はまだ半分程度しか埋め終わってない。

これならもしかして、いや、やってみる価値はある。


「妖刀、むら…」

「水の東西、二項対立!」

「!?」


 僕がそう言い放つと、真っ白な景色が向こう側へ、僕が白地図を埋めた場所、つまり僕の陣地がこちら側へ移動する。

「姿は見えないけど、聞こえているんだろう?二項対立とは、二つの概念が矛盾または対立の関係にあること。 また、概念をそのように二分すること。峯岸、陣地をくっきり分けさせてもらったよ。「僕の埋めた陣地」と「峯岸だけが埋めた陣地」としてね」

厄介だったのは埋めきってない死角から攻撃が来ること。

陣地としてくっきり分けてしまえば正面からの攻撃だけに集中できる!


わけられた陣地、つまり正面から峯岸が姿を表す。

「まさかこんな方法で白地図を対処するとはね。初めてだ。だけどそれは俺を攻略したことにはならないぜ、妖刀、村正!」


正面から剣を構えた峯岸が攻撃してくる。

……これでいい、どこから攻撃がくるかさえわかれば。

ましてやそれが実像を持つ物体ならば!



「握手」



斬撃を繰り出す峯岸の剣を手で、受け止め、村正を粉々に握り砕く。

驚く峯岸に僕は飄々と言ってみせた。



「悪いが、僕の握力は万力よりも強いんでね」

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