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030.正面突破と白地図

中学生のときは白地図って嫌いでした。

「さて、作戦だけど、どうする?」

「正面突破っしょ!」

天元突破しそうな勢いの快斗。

「なんでそうなる、無闇に突っ込んだらこの前の見せ合いと同じ結果になるぞ」

あくまでも冷静な二谷。

「そういう二谷は何か作戦あるの?」

「ないね」

ないんかい。


「まあ一つ言えるのは峯岸君の能力を把握することが一番重要なんじゃない?」

「そうそれっしょ!二谷、峯岸の能力について何か知らないのか?」

「彼と戦ったときはどこから攻撃が来るかわからなかったんだよな」

「俺もそうだっだぞ」

ふむ、二谷も快斗も僕とおんなじようなやられ方をしたのか。

ということは、つまり、

「作戦考えても無駄ってことだね」

「やっぱ正面突破っしょ!」

グレンラガンしておけ。


「そろそろ始めるかい?」

峯岸が僕たちに声をかける。

「おう、やるっしょ!」

「そうだね、制限時間は15分にしよう、バッジがないから致命傷は避けられないけど、勝ち負けの判断はどうする?」

「攻撃を寸止めすればいいっしょ」

恐ろしい提案だった。

僕たちにそんな技量は果たしてあるのか。

「いいよ」

いいんかい。

峯岸も大分、頭のネジが飛んでいるに違いない。


「それじゃ始めるよ、倉本、1-Aの3人も準備はいいかい?」

「いいわ」

「いつでもオーケーしょ!」



「それじゃ遠慮なく、「白地図」」


 峯岸がそう言うと、あたりが真っ白になる。

文字通り何もない真っ白に。

同じだ。

見せ合いの時と。


 恐る恐る真っ白な空間に一歩足を踏み出す。

すると、踏み出した場所だけ色が戻る。

というより、これは景色が戻るっていう方が妥当か?

と、考えているとシュっと音がして僕の左手に傷ができる。


「!?」


 間違いなく攻撃されている!

僕は後退し、様子を探る。

後退したところには景色が戻る。


 これ……は、なるほど、だいたいわかったぞ。



「羅生門、羅生門、羅生門、羅生門!」


 僕は四方に防御壁をつくり、その門ごと駆け回る。

駆け回った分、真っ白な空間が消えていく。

やはりこれはっ……。


 すると、「シュ」っとさっきと同じように音がした。

「てぶくろをかいに」

僕は赤いてぶくろを装着し、上からの斬撃をてぶくろで防いでみせた。


「だよね、もんが邪魔で上からしか攻撃できないだろう?」

「泉…だったか?よくわかったな。その様子だと能力も」

「白地図、だろう?」

「ご明察。白地図は真っ白な地図、自分で情報を埋めれば埋めるほど、つまり歩けば歩くほど視界は広がる」

「じゃあやっぱり君からの攻撃が見えなかったのも?」

「当然、知らない土地から来た攻撃は見えないに決まっている」


 つまりはこういうことだ。

峯岸の教科は社会、白地図を周りに展開して、相手の空間的情報を奪うって感じね。

地図は埋めれば埋めるほど視界が開く。

当然峯岸の白地図は全部埋まっているのだろう。

と、いうことは、

「白地図全部埋めれば地の利はなくなる。あんたからの攻撃も見えるってことだろ?」

「ご明察。だが、その前に君を倒すさ」


「羅生門」門で攻撃を防ぎつつ白地図を埋める。

これしかない。


「その動作はさっき見たよ、村正」


 ビュンという強い音がして門が真っ二つに切られる。

おいおい。

「白地図だから地理じゃないのかよ、歴史もとかずるいだろ」

「国語も古典と現文があるだろ、君はどっちもつかうだろ?」

論破された。

何も言えねー。



「どぉぉぉぉらぁぁぁぁぁ!!!」


 そのとき変な叫び声と共に誰かが高速で駆けて行った。

こんなせっかちなやつ、1人しかいない。

なるほど?

あいつも気づいて白地図を埋めて周ってるわけか。

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