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024.登山と消失

網代あじろ山。網代の意味は・・・

 バスは三時間ほど揺られ、目的地である網代山鳩到着した。

ほとんど寝ていたので記憶はないが。

まぁ、バスの中で中でそんな重要なことはそうそうおきなないだろう。


「やっーと着いたっしょ!」

もちろんというかなんというか一番に降り立ったのは快斗だった。

せっかちめ。



「開智高校一年生の皆様、ようこそおいでくださいました」

そうで迎えてくれたのは、麗花だった。

いや、違うな……この人は?

「私のお母さんよ」

別のバスから降りてきた麗花が話しかけてくる。


「朝言おうとしたけど、言えなかったし……」

なるほど、そういうことか。

僕がびっくりしないようにわざわざ伝えにきてくれたのか。

なんていい人だ。

「……それだけじゃないんだけどね」

うん、嫌な予感がするから聞こえなかったふりをしよう。


「では、これから網代山の山頂を目指してもらう、昼食はどこで食べても構わない。なるべく()()山頂を目指すように」

なるべく遅く……どういうことだ?


「小室先生、それをいうなら「なるべく早く」っしょ?」

君はなんでも聞いてくれるな。

ありがたいが。


「登ればわかる。では頑張ってくれたまえ」



「だってよ、杏ちゃん。どーする?」

「いや、どうするも何も普通に山登りだろ?みんなで登ればいいじゃんか」

「そーだな、杏介のいう通りっしょ!登ろうぜ」


 僕たちは、小室先生の言葉の意味を深く考えずに登り始めた。


「よろしいんですか、小室先生?」

「何がですか?絢辻さん」

「生徒に幽霊のことを教えなくても」

「構いません。我が生徒たちはやるときはやりますから、もちろん、絢辻さんの娘さんも含めて」

「まあ、頼もしいこと、それでは私は準備がありますので」

「ああ、私も山頂へ向かうとします」

そう会話して、絢辻母と小室はそれぞれ行動を始めた。



「結構な急斜面だな」

「杏ちゃん、こけないように気をつけてね」

「翔子もな」

僕たちは山頂へと歩みを進める。


歩き始めて10分ほど、霧がだいぶん深くなってきた。


 ふっと、ほんとにふと後ろを振り返ると何か違和感がする。

「なあ、翔子、さっきまで後ろにいたクラスの奴らどこいった?」

「えーそんなのわかんないよ。私たちが早すぎて置いてっちゃったんじゃない?それかこの霧で見えないだけか」

そんなに急いでいるつもりはないんだけどなぁ。

「おい、快斗、お前はなんか気づい……た……え?」


 さっきまで僕の斜め前を歩いていた快斗が消えていた。


「おい、快斗!?」

返事がない。

「翔子、大変だ、快斗がいない!!」


「おい、翔子!」


 横には誰もいなかった。

くそ、何が起こっているんだ。

落ち着け。

この前の見せ合いみたいに風景が真っ白になったわけじゃない。

ということは僕だけどこか別の場所に飛ばされた可能性は低いんじゃないか。

もし攻撃を受けたなら快斗や翔子の方ってことか?

そんなことを考えていると、



「……うっそだろ、おい」



 目の前にもやのかかった影のようなものが現れた。

ちくしょう、13日の金曜日はだてじゃないな。

それは幽霊との初対面だった。

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