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023.待ち伏せとバスの中

幽霊って信じますか?

 今日は金曜日。13日の金曜日だ。

つまり合宿の日。

僕はカバンに荷物を詰め(といっても服くらいだが)、家を出る。


「……待ってたわ、泉君」

「まだ君付けなのかよ、麗花」


 驚いた。いつもは翔子と一緒に登校するのだが、今日は麗花が出迎えてくれた。

「何か用?」

「用がないと待っていてはいけないの?」

いや、いけないだろ。

ヤンデレもびっくりの発言だった。


「いえ、用はあるの。今日から合宿でしょ?実はね、」

「あーー!杏ちゃん!と……絢辻ちゃん……」

しりすぼみに言葉を発しながら翔子がやってきた。

「絢辻ちゃんが杏ちゃんになんのようですかー?」

「…いえ、偶然通りかかっただけよ。用は何もないわ」

嘘つけ。

さっき何か言いかけてただろうが。


「それじゃ、海崎さん、きょ……泉君、また学校で」

名前で呼ばれるまでにはまだまだ時間がかかりそうだった。


「そーれーで?こんな朝早くから杏ちゃんは絢辻さんと何話してたのかなー?」

「いや別に何も、ほんとだって、今回はほんと」

「「今回」は?」

「あ、いや、その……」

「まあいいわ、今日から合宿だし。楽しみだね、杏ちゃん!」



 いつものようにねぇちゃんのお見舞いをしてから学校へ。

クラスの大半はもうジャージに着替えて準備万端という感じだった。

「おう、杏介!早くジャージに着替えろよ!早く行こうぜ!」

「まだ出発15分前だぞ。時間は早まったりしないよ」

「アインシュタイン知らないの?時間は人によって感覚が違うっしょ!」

噛み合ってるようで噛み合っていない会話。

やっぱり快斗はせっかちだった。


 ところ変わってグラウンド。

「ではこれよりバスに乗って網代山を目指す。忘れ物のないように」

小室先生の号令とともにクラスごとにバスに乗り込む。

僕の隣は二谷。

ちなみに翔子は斜め前。ちなみにだが。


「二谷、スカウトはきたのか?」

「いや、きてないよ。峯岸君に負けちゃったしね。もしきてるなら峯岸君なんじゃないかな」

「二谷が負けるなんて相当強いんだね、その峯岸君って」

かくいう僕も、何もわからずその峯岸にやられたわけだが。

「初見殺しみたいな異能もあったし、次やったら勝てるよ」

謎に自信満々だった。


「そんな泉君はよく絢辻さんに勝てたね?」

「たまたまだよ、たまたま」

麗花が自分でバッジを割ったことは伏せておこう。

僕が倒したことにしておこう。

吹雪を攻略したのは事実だし、うん。


「杏ちゃんは?」

「え?」

そんな話をしていると、斜め前から翔子の声がした。

「だからー、幽霊って信じる?」

あぁ、そう言えば網代山には幽霊が出るとかどうのって言ってたな。

「信じてないよ」

僕はテキトーに答える。

「あーもう、そうやって適当に答えるの杏ちゃんのよくないところ」

前の方では翔子が中心となって幽霊の話でもちきりだった。


 魔女みたいとか、近寄り難い見た目とか、クールとか雪女とか聞こえてくる。

……なんか聞き覚えのあるフレーズだな。

聞こえないふりをして僕は着くまで寝ることにした。

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