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022.合宿と幽霊

社交関係があまり広くない僕にとっては、宿泊研修ってあんまりいい思い出がありません。

決して友達が少なかったわけではなく。はい。

 5月最初の昼休み。

「合宿?」

「そう、5月13日は合宿なんだよ!杏ちゃんも楽しみでしょ?」

そう翔子から問いかけられた。

知らなかった。

まあ先生から配られるプリントにろくに目を通してないだけだが。


「中学校のときの修学旅行みたいな感じか?」

「うん!一泊二日で網代山に行くんだよ」

「ふーん」

合宿なんて学校のメインイベントの一つだ。

普通なら楽しみにしたいところ。

だけど、個人的には6月にある教会試験のことで頭がいっぱいなのであまり興味はなかった。

結局僕のところにはスカウトは来なかったしね。

他の誰かのことろには来たんだろうか?


「山登り楽しみっしょ!」

お弁当を食べながら快斗が話す。

「全部食べ切ってから話せよ、飛ぶじゃねーか」

「だって楽しみっしょ?合宿!しかもこれ見てみろよ、合宿のしおり」

あぁ、この前の総合の時間に作ってたな。

僕は引き出しの中のクリアファイルからしおりを引っ張り出す。

僕は全部の配布物をこのクリアファイルに入れるから探すのに苦労した。

ぐしゃぐしゃだった。


 ええと、なになに?


1日目

8:00 開智高校出発

12:00 網代山到着

15:00 山頂到着

18:00 教科

23:00 就寝


 ずいぶん大雑把なスケジュールだな。

さては作ったの小室先生だな?


2日目

8:00 教科

14:00 網代山出発

17:00 開智高校到着


 絶対作ったの小室先生だ。

間違いない。


 まあ、教科の時間が増えるのはいいことか。

「しかも1年生全員で行くから、CやD組の連中とも遊べるっしょ?」

ふむ。確かに。

僕はねぇちゃん以外に国語の教科の力をジッと見たことがない。

いや、クラスにも何人かは国語の教科をもつ人はいるのだが、如何せん僕より弱そうだ。

あくまで僕の見立てだが。

もしC組やD組に国語使いがいるのなら、同系統の力を見たいという気持ちはあった。


 そういえば絢辻…麗花は国語と英語の教科の力が似ているとかどうとか言っていたな。

言語という括りでは国語も英語も一緒か。

麗花は「単語」であの威力だったので、英語にもその単語にも相当思い入れがあるのだろう。

僕は絵本には思い入れはあるが、暖かい話が多いので、殺傷能力という面では低い気がする。

『羅生門』も『てぶくろをかいに』も攻撃系じゃないしなぁ。


 なんて、考えていると、

「……杏ちゃん?女の子のこと考えてたでしょ?私たちと話してるのに!杏ちゃんのよくないところ」

バレバレだった。

なんでわかるんだよ。

怖いわ。


「いやほら、国語を教科として選んでる人うちのクラス少ないだろ?他のクラスの国語使いを観れるといいなって思ってただけ」

「……ふーん。ま、そういうことにしておいてあげる」

上から目線だった。

ま、図星だから何も言えないけど。


「でねでね、網代山には、出るらしいのよ」

「何がだよ?」


「幽霊」


全く翔子は、放火魔の時や都市伝説の時といい、どっからそんな情報仕入れてくるんだよ。

フラグを立てるのがうますぎるわ。

それであれだろ?

また問題が起きるんだろ?

お決まりなパターンじゃないか。

もし問題が起きるなら自分に都合のいい問題だといいなぁと思いつつ残りのご飯をかきこむ。

チラッとカレンダーを確認する。

おいおい。


偶然にも13日は金曜日だった。

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