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020.軍配と呼び出し

放課後に屋上に呼び出されたい人生でした。

(評価、ブクマ、めっちゃ嬉しいです、ありがとうございます!素直に、ほんとに、モチベ上がります、はい笑)

 上か下か、右か左か、どこからどんな攻撃が来たのかもわからなかった。

バッジが割れ、僕は小室先生のところへ。


「そこまで!」

小室先生の声が響く。


「今回の見せ合いは1-Bに軍配が上がったようだな。各自今日の経験を活かして日々精進するように。以上」



「よくやったぞ峯岸!さすがうちのエースだ」

「武田も倉本も油断しすぎ、絢辻は自分でバッジを割るとか論外」

峯岸は仏頂面で話す。

「べ、別に油断なんてしてなかったわよ!翔子ちゃ…海崎さんが強かっただけよ」

「俺は確かに油断してたけどな……」

「…………」

1-Bサイドでは4人が中心になって集まり、話をしていた。

「グレイト。素晴らしい見せ合いでしたよ。序盤の連携、中盤の個人戦、トドメの峯岸君、とてもエキサイティングでした。次の見せ合いも楽しみにしていますね」

毛利先生の声も響いている。


「おい絢辻、どこいくんだよ?」

「ちょっと、用事」




「杏ちゃん!負けちゃったの?怪我はない?」

「よくわからないけど急に目の前が真っ白になって、気がついたらバッジが割れてたよ。怪我とかはない」

「それそれ!俺も同じっしょ」

快斗が横から口を挟む。

「俺も急に真っ白になったんだよなぁ」


「それは峯岸君の教科の異能だよ」

今度は二谷が口を挟む。

「峯岸?誰だよそいつ?」

「ほら、最後、僕と泉君の2人になったでしょ?僕が戦ってた相手だよ」

「じゃあ二谷もそいつに負けたのか?」

う、と二谷はバツが悪そうにうなずく。


「まーしゃーないっしょ!次勝てばいいんだからな!」

「そうそう、私たちの教科が十分に使えてるってことが分かったんだから大きな収穫じゃない?」

本音を言えば勝ちたかったが、翔子たちの言うことももっともだった。


「それで?スカウトの話はどーなったんだよ?」

「うーん、私は見せ合いに必死で誰かに見られていたとかは気づかなかったよ」

「僕も、それにもしスカウトの話が来るならその人が1人になった時なんじゃない?」

それもそうだな。

まあ、小室先生が教会の人だし、後でスカウトのことや異教について聞いてみてもいいかもしれない。

僕はそんなことを思いながら、グラウンドを後にした。




 そんな様子を遠くから見張る二つの影に誰も気づかない。

「どうでしたか、今回の見せ合いは。我々異教に相応しい人物は見つかりましたか?二谷さん」

「これはこれは、明石理科主任様」

「様はよしてくれたまえ。今やあなたも私も立場は同じでしょう。異教「数学」主任、二谷様」

「ふん」

「おっと、今回の見せ合いはあなたの弟さんがいるんでしたね。如何でしたか?」

「全然ダメだ。あんな社会の異能に負けるようでは話にならない」

「ふむ、私には少し思うところがありますが……」

「誰かスカウトしたいやつでもいたか?それとも、異教に害になりそうだから始末したやつでも見つけたか?」

「さあ?どうでしょう」

明石はグラウンドを一瞥し、二谷は見向きもせずにその場を立ち去った。

もちろん、気づく者はいなかった。あの小室でさえも。




 教室に入ろうとした時、グイグイっと袖を引っ張られた。

絢辻だった。

「さっきはどーも、絢辻さん。何か用事?」

「……話があるの。放課後、屋上にきて」

え、何?

ついにモテ期到来?

何の話?

なんて聞くのはやぼだろう。

ここは、クールに、

「分かった。じゃあ後でね」

と言って、その場を離れようとすると、


「大切なことだから、絶対、きてね」


 釘を刺された。

え?

ほんとに?

モテ期?

「杏ちゃん、絢辻さんと何話してたの?」

「いや別に?なんでもないよ。放課後屋上に呼び出されたなんてことは微塵もかけらもないよ」

「……ふーん。あやしい」

翔子がジト目で僕を見てくる。

「そーやって曖昧に誤魔化すの杏ちゃんのよくないところ」

「まぁまぁ、ほんとになんでもないって」


 キーンコーンカーンコーンとチャイムがなる。

ラッキーだ。

「ほら、授業始まるぜ、席に戻れよ」

翔子は不満げだったが席に戻っていった。



 そんなこんなで放課後。

僕は屋上へと向かっていた。

途中翔子に呼び止められたけど、聞こえないふりをした。

屋上に出ると、手すりに身をゆだね、グラウンドを見ている絢辻がいた。


「待たせた?」

「いいえ、私も今来たところよ」

あれ、なんかこれデートっぽくない?

告白っぽくない?

ピンク色の雰囲気あるぞ。


「それで?こんな人気のない場所でなんの用事?」


「……泉君のお姉さん、教会の人よね?」


ピンク色の空気は吹き飛んだ。


「……なんで絢辻がそれ知ってんの?」

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