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016.三本の矢と紙飛行機

某家庭教師の漫画、大好きです。

 くそ、なんで矢が俺の肩目掛けて飛んでくるんだ!?

俺は必死に頭を回転させ考える。

どう考えてもおかしい。


「風速10mっ!」

風に乗り矢を回避しようとするが、強風の中、武田が放つ矢はどれも正確に俺の肩に飛んでくる。

三本の矢、確かに武田はそう言っていた。

それなら教科は社会、それも毛利元就を参考にしているはず。

だが、三本の矢に追尾機能がついている理由がわからなかった。


「これが教科の理解度の差だよ。菅原」

武田が余裕げに喋る。

「うるさい!だいたい武田って名前なんだから騎馬隊使えよ!なんで毛利元就なんだよ!」

「戦国大名はどの人も好きだよ。だいたい名前で決めつけるな!ほら、三本の矢っ!」


 今度こそ、その技の正体を見極めてやる。

「風速10m」

武田に向かって突風を飛ばす。

が、矢は風とは逆に俺に向かって飛んでくる。

すんでのところで矢を回避する。


おちつけ、考えろ。

なにか仕掛けがあるはずだ。

思い出せ!この戦いでなに……が……。

(力が入りすぎじゃないか?リラックスしていた方が力を発揮できるぞ)



!!



 あいつまさかっ!?ハッと肩に目をやる。

クラスのみんなの糸は杏介が焼いていたが、俺は風で避けたから…。


 なるほどな、どこぞの嵐の守護者みたいなことしやがって。

なにが「個人の力量はどうかな」だよ。


 それならこっちにも考えがあるぜ。

俺は立ち止まり、武田の方を向く。

「おにごっこはおしまいだ、ケリつけるっしょ!」

「いいだろう!終わりだ。三本の矢っ!」

無数の矢が正確に俺の肩目掛けて飛んでくる。


「やっぱりな」


俺は肩に刺されていたまち針を地面に刺し直す。

すると、それにつられるように矢も地面に突き刺さる。

「あの家庭科の女子の異能で糸付きの針を俺の肩に刺してたんっしょ?だから矢は俺の肩に正確に飛んできた」

「よくわかったな。だけどそれがわかったからって形勢が変わったわけじゃない。矢は風より強いんだよ」


「ああ、知ってるよ。風速10m!」

俺は再び武田に向かって風を飛ばす。


「三本の矢っ!」

武田が矢を放つ。

……よし、今度は肩に標準が合ってない!

やっぱり矢の勢いは強いとはいえ、強風の中だと標準がズレるんだ!


「紙飛行機!」

俺は矢を避けながら叫んだ。

紙飛行機が武田に向かって飛んでいく。


「……はははっ!紙飛行機だって??笑わせるぜ。そんなもんがこの強風の中当たるわけないだろうが!」


「当たるさ。行き先はこの糸が教えてくれるからな」

さっきまで俺の肩に刺さっていた針を持ち、糸を手繰りながら

「紙飛行機」

そう叫ぶ。

紙飛行機は真っ直ぐに、真っ直ぐに武田の手に向かって飛んだ。


「ぐっ……しまっ……!?」


パリーンと音がして武田のバッジが壊れる。


武田は小室先生のところへ。

ゲームオーバーだ。

「まったく、ジャンプ作品履修しといて助かったっしょ。某家庭教師に感謝だな」

俺は1人でつぶやいた。


ちゃんとそっちはうまくやってるっしょ?杏介?

俺は杏介の方へ駆け出した。

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