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015.裁ち鋏とカーブ

まち針を刺すふわふわしたやつ、「ピンクッション」って名前なの初めて知りました!

 自慢じゃないけど私は友達は多い方だ。

基本誰とでも仲良くできる。

目の前に対峙している倉本陽奈も例外ではなかった。


「手加減はしないわよ、ストレートっ!」

豪速球を陽奈ちゃん目掛けて飛ばす。

が、


「ピンクッション」


 ポヨーンと腑抜けた音を立てて軽くいなされる。


「やっぱり陽奈ちゃんの教科は……」

「家庭科よ、女の子らしいでしょ?」

このご時世にその発言はどうかと思った。

いや、見せ合い中に集中を切らすなんて。

もう、杏ちゃんのよくないところがうつってきてるわ。

あとで杏ちゃんにはお仕置きね。


そう考えながら、次の一手を考えていると、

「まち針」

さっきみたいに無数の針が飛んでくる。

避けないと。

私の「保健体育」では糸をどうにかすることはできなかった。

いや、正確に言えばなんとかはできるのだが、例えば保健分野のタバコとか。

だがあいにくタバコには縁もゆかりもない。


「50m」

避ける。避ける。避ける。

「避けてるだけなんて寂しいじゃない!」

とにかく陽奈ちゃんとは相性が悪いみたいだ。


「……くっ……」

ついにまち針に捕まる。

これじゃ動けないっ。


「裁ち鋏」

私の首元に大きなハサミが迫る。

「これでゲームオーバーよ、翔子ちゃん」



「いいえ、相打ちよ?」



「……え?」


裁ち鋏で陽奈が首を切る瞬間、背後から豪速球が陽奈を襲った。


パリパリン


音がして2人のバッジが同時に割れた。

2人同時に小室先生のもとへ。

どうやら2人ともゲームオーバーらしかった。


「……翔子ちゃん、なんで私は攻撃を受けたの?絶対勝ったと思ったのに」

「ストレートがあるならカーブもあるに決まってるでしょ?ストレートに混ぜてカーブも投げておいたの」

「それで後ろから球がとんできたわけね、一本、いや一球とられたわ。」

「陽奈ちゃんも強かったよ」

「な、そ、そんなことないわよ!次はちゃんと勝つんだからねっ!?」

よかった、いつもの陽奈ちゃんだ。

教科を勉強してるからといって性格が変わるわけではない。

陽奈ちゃんは俗に言う、「ツンデレ」というやつだった。

杏ちゃんはツンデレ好きかな?

私も真似してみようかな。



いやそんなことよりも、さてさて、他はどうなってるのやら。

私は、ゲームオーバーになったから、もう見ることと応援しかできない。

頑張って、杏ちゃん!

と心の中で思いながら、見せ合いの行く末を見守っていた。

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