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155.仮説と別れ

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 言われてみればなるほど。

木然さんは防御壁について何も語らなかった。

つまりは何も知らないということだろう。

「だから安心しな。天野と教科異能刀に関しては今のところは関わりは見出せねーよ」

「……ほんとに平はどこまで知ってるんだよ?」

「大体のことは知ってるさ。粗探しが好きなもんでな」

「それで?平はこれからどうするんだよ?」

「んぁ?そーだな、異教が動き出すのは11月だからそれまでは一休みかな。何か指令が出てるわけじゃねーしフラフラしてようかと思ってる」

「教科異能刀はいいのか?」

「手を組む時に言ったろ?泉と組む目的は教科異能刀を見つけることだってな。見つけた後のことはその時に考えるとも言った。俺は、いや俺たちは教科異能刀を見つけ出したんだよ。だからそれでいいじゃねーか」

「よくわからないけど、平がそれでいいならいいさ。僕はなんの役にも立ってないけどね」

「っははっ!そんなことねーさ。泉がいなきゃ白鳥教会社会主任サマは俺たちに手を貸してはくれなかっただろうぜ」

「まあ、それはそうかもしれないけど」

「防御壁について、俺なりに考えてることがあるんだが」

「教えてよ」

「ここまで付き合ってもらったからな。教えるさ。でも先に言っておく。これはあくまで俺の考えで、根拠は何もない」

「ああ、それでもいい」

「っははっ!よし、いいだろう。俺の考えでは、防御壁は「防御壁」だと思ってる」

「は?」

何言ってんだこいつ?

そんなの当たり前じゃないか。

「そんな変な人を見るような顔するなよ。言葉の通りさ。防御する壁なんだよ。でも肝心なのは「何から」防御するかってことさ」

「!!」

確かに。

防御防御って一体何から守るものなんだ?

「俺は鎖国状態になってる今の現状から考えて、日本以外から日本を守るためのものじゃないかと考えている」

「日本以外って?」

「他の国、あるいは」

「あるいは?」

「宇宙人……とかな」

「おいおい、いるわけないだろ?宇宙人なんて」

「さあないるかもしれないしいないかもしれない。でも日本が海外から狙われないのは防御壁があるからなのは間違いない。防御壁の存在が国際戦争を未然に防いでいるのさ」

「国際戦争を防げたって日本で内戦してちゃ意味がなくないか?」

「意味はあるさ。日本がより強固な組織になるだろ?それこそ、世界に対抗できるくらいに」

「あ……」

「っははっ!天野が考えそうなことさ。まあ前述通りあくまで俺の仮説だけどな」

「これを聞けただけでも平と手を組んだかいがあったよ」

「っははっ!俺は受けた恩は返す主義なんでね」

アナウンスが聞こえる。

もうすぐ僕の降りる駅だ。

時間までぴったりかよ。


「次会う時は敵かもな」

「平が異教徒である限りそうかも」

「どうかな。俺は気まぐれなんでね」

新幹線が停車する。

「ほら、着いたぜ?行けよ」

「ああ、またな」

「ああ、縁があったらまたいずれ」

平は含みをもったような顔で笑った。

「次はもう少し役に立てるようになってるはずだよ」

僕はシニカルに笑いを返し新幹線を降りた。

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