149.時と公害
毎日更新を目指します！
感想、評価、ブックマーク、なんでも励みになってます！
よろしくお願いいたします。
「ほう？まだそんな戯言を申す者がおったとはな。じゃが帰りなさい。ここには何もない」
「っははっ！それこそ戯言だぜ。異教と教会の主任がきてんのがいい証拠だよ。ここに何かがあるっていうな」
確かにその通りだ。
煙のないところに火はたたないというわけではないが、何か重要な情報がなければこんなところに誰も来ないだろう。
「なんと言われようが答えは一緒じゃ。帰りなさい。君たちにはまだはやい」
「まだってことはあんた何か知ってんだな？」
「落ち着け平。何かがあるのは明白だけど、木然さんからそれを聞き出すのは不可能にちかそうだぞ？」
「何？」
「木然さんの目を見てみろよ。僕たちには到底できない光り方というか目が据わってるっていうか……。確固たる意思がありそうなんだよ。あの感じ多分死んでも教えてくれないんじゃないかな」
「……ちっ。わかったよ。確かに泉の言う通りだ」
「でも諦めるわけじゃない。まだってことは時がくれば教えてもいいってことだ。そうですよね？木然さん？」
「どう捉えようと君たちの勝手じゃ」
「ふん……。くえない爺さんだぜ」
「随分とうまく攻撃を受け流すようになったのね？」
「それ本気で言ってます？あんなセンセの攻撃を受け流せるわけないじゃないっすか」
「だけど現に私の攻撃は止まっているのだけれど」
「だから、受け止めたっすよ！」
「それこそ不可能だと思うのだけれど」
「確かに万全のセンセの攻撃を止められる人なんてこの世に数えるくらいしかいないと思うっす。万全ならね」
「……！？なん……だ？」
「やっときいてきたっすか。相変わらずタフっすねぇ」
「二階堂君、何を？」
「視界が霞むし、動きが鈍いっすよね？」
「だから何をしたってきいているのだけれど！」
「公害って知ってるっすよね？」
「！！」
「大気汚染に水質汚染、土壌汚染に地盤沈下。いろいろ種類はあるっすけど今回は大気汚染と地盤沈下っす。僕の周りの大気は「汚染」されてるんですよ。人に害が及ぶくらいに」
「……じゃあなんで二階堂君だけは無事なわけ？」
「僕が公害を理解してるからっすかね。センセも僕と同等に公害に対しての理解度があれば無事なはずっすけど、センセの専門は日本史ですよね？」
「それでも教え子に社会の教科で理解度が劣っているとは思わないのだけれど」
「僕は異教の主任っすよ？センセ、センセの時代は終わったんす。公共に関しては僕の方が理解度は上なんすよ。衝撃音がしなかったっすよね？城の地盤を僕の教科の力で沈下させたんすよ。地盤沈下が起きれば必然的に城は石垣から崩れ落ちる」
「……日本の城は災害に、もちろん地盤沈下にも強いはずなのだけれど」
「それはセンセの城に対する想いより僕の公害に対する想いの方が強かったってことじゃないですか？なんにせよ」
「……くっ」
「今までお疲れ様でした。これからの「社会」は僕が担うっす」
