143.3時間目と平泉
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平泉までは電車と新幹線を使った。
飛行機でもよかったのだが、以前北海道まで飛行機で行ってとんでもない目にあったから多少避けたいという気持ちが働いたのかもしれない。
まあ、飛行機を使わなかったら今平泉まで行くという行為をすることはなかったのだが。
僕は乗り物はあまり好きではないが、好きではない中では新幹線が好きだ。
あんまり揺れる感覚がしないからだ。
世界の車窓からではないが窓から眺める景色も悪くはない。
いくら眺めても防御壁は見えなかった。
平泉には約束の時間の3時間前にはついた。
本当のことを言えば1人は心細かったので翔子やケン、もしくは快斗なんかに声をかけたかったのだが、会う人物が会う人物なだけに憚られた。
特に翔子には危険な目に遭ってほしくない。
守る側に僕はなりたかった。
にしても平泉って随分殺風景だなぁ。
こんな場所で待ち合わせしたらバレバレなんじゃないか?
まあ夜だから人がいないっていうのもあるのか。
ちなみに中尊寺金色堂に来るのは初めて。
もちろん夜の中尊寺金色堂に来るのも初めてだ。
あと3時間はぼーっとして過ごすか。
「っははっ!3時間前行動なんて随分とお行儀がいいじゃねーか」
「そういう君も3時間前に来ていることになるんだけどな」
「下調べは大事だろう?もっとも、もうほぼ済んでるんだけどな」
「だろうね。じゃないと確信をもってここに僕を呼ばないだろう?」
「っははっ!そりゃそうか。こいつは傑作だ。教会のお前が異教の俺を信用して3時間も前に約束の場所に来るなんてな」
「信用しきってないから1人で来たんだけどな」
「そいつは懸命な判断だな。最悪の事態を想定しての行動か。それでこそ俺と組む価値のある男さ」
「なんとでも言ってくれ。異教と手を組むのは僕1人で十分ってことさ。それで?早く探しに行こうぜ。教科異能刀をさ。わざわざ平泉の中尊寺金色堂を待ち合わせの場所に指定したんだ。ここなんだろう?ある場所は」
「まあ落ち着けよ。中尊寺金色堂は一応23時までは一般向けに公開されてんだ。客足は芳しくないようだがな。そして0時でスタッフもいなくなる。リサーチ済みさ」
「なるほど。だから待ち合わせが0時だったんだな。10月10日で10時じゃなくて0時な理由がよくわかったよ」
「語呂合わせや霧のいい数字は嫌いじゃないんだがな。何となく泉は早くこの場所に来る気がしたんだ。3時間くらい前にな」
「僕も平が早く来るんじゃないかって思ってたさ。どうする?0時までまだまだ時間あるけど」
「っははっ!そうだな。とりあえずラーメンでも食おうぜ」
僕、泉と異教の平の平泉でのファーストコンタクトはこんな感じだった。