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013.バッジとスポーツマンシップ

 そんなこんなで見せ合い当日。

HRで小室先生が

「見せ合いは3限。相手は1-Bだ。」

ふむ、うちは1-Aなので隣のクラスか。

僕の唯一といっていい、友達がいる1-Dに当たらなくてちょっとホッとする。


「毛利先生のクラスっしょ?楽しみっしょ!」

快斗ははしゃいでいるが、あまりはしゃげなかった。

先週の二谷の話を真に受けるなら異教や教会の人が見ていることになるし、相手が1-Bというのも気がかりだった。

担任が毛利先生だからだ。

おそらく彼は小室先生が教会の主任だと知っている。

あまり毛利先生にはいい印象がなかった。


 2限が終わり、ついに見せ合いの時間がやってきた。

「場所はグラウンド。時間に遅れないように!」

小室先生が凛々しく叫ぶ。


 クラスごとにグラウンドに整列し、体育座りで説明を聞く。

ていうか体育座りって体痛くならないか?

もともとどこぞの国が日本人の身体能力を下げるために考案したとかも噂であるし。

「…杏ちゃん、何ぼーっとしてるの?人の話を話半分に聞こところは杏ちゃんのよくないところ」

それをいうなら小室先生の説明中に僕の方を見ているのは翔子の悪いところだ。

大体なんで僕が考え事してるの分かったんだよ。

僕の顔になんかついているのか?


 そんな感じで考えていると、

「ルールを説明する。今回の場所はグラウンド。ここから出てはいけない。それと、君たちにはこれを渡そう」

前からまわってきたのはバッジだった。

なんだこれ?

「ステーイ。これのバッジは身につけておいてください。それは自分自身が「教科」の力によって致命傷を受けたときに一度だけ守ってくれるものです。」

毛利先生は続けて話す。

「ゲームオーバー。致命傷を受け、バッジが壊れた人から脱落です。見せ合いでは強い力を披露してください」

ふむふむなるほど、こういうルールだから戦い合いっぽくなるわけね。

しかもバッジがあるから安全は保証されるわけか。

学校側も考えて授業してるんだなぁ、と一人勝手に関心していると、


「分かったっしょ。早くやろーぜ!」

全くこのせっかち君は…まあ早く見せ合いをしたいのは僕も同じだった。


「ステーイ。まだ説明は終わっていません。全員のバッジが壊れる、もしくは授業時間が終了した時点で見せ合いは終わりです。時間切れの場合は残りバッジが多いクラスが勝利となります」


「では、代表者、前へ!互いに健闘を祈り合うんだ」

「はーいはーい、俺行くっしょ!」

快斗が1-A代表として前に出る。


「では1-B代表は俺が…」

180cmはあるガタイのいい男だった。

「俺は菅原、よろしくっしょ!」

「ああ、よろしく、俺は武田だ」

互いに握手し、さらに武田は

「力が入りすぎじゃないか?リラックスしていた方が力を発揮できるぞ」

と、菅原の方をポンポンと叩いて自分が座っていた場所へ戻っていった。

2人のスポーツマンシップは眩しかった。


「それでは5分後に始める。各クラス準備をするように」

小室先生の言葉で僕たちは1-Bと距離をとった。


「一応聞くけど、代表の菅原君、作戦はあるのかしら?」

翔子が聞く。

「あるわけないっしょ!」

「…ですよねぇ。」

「一人一人が全力を出せば問題ないっしょ!」

スポーツマンシップが眩しかった。


「僕もそれで問題ないと思うよ」

今度は二谷が割って入る。

「僕が全員倒すから問題ないし」

こえーよ。

事情は知っているから見せ合いに力が入るのもわかるけど、逆に作用してる気もする。


 小室先生がより大きな声で叫ぶ。

「それでは、これより見せ合いを始める!」


 よし、行くか、一呼吸して1-Bの方を向く。

向いた瞬間、

「……は?」




 無数の針が僕たちめがけて襲いかかった。

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