138.スマホと連絡
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案の定というかなんというか、翔子からのメールが溜まっていた。
そりゃそうか。
休むって言ってあったとはいえ、連絡もなく、家から出た形跡もない。
にも関わらず連絡がとれない。
多分翔子のことだ、僕の家にも入ったんだろう。
ちなみに僕の家の鍵は常にポストの裏側に隠してある。
僕がよく物をなくすので、無くして入れなくなったことが多すぎたことをみかねたねぇちゃんが鍵の場所を決めた。
もちろんそのことは翔子も知っている。
下手したら警察に行方不明届とか出されてるんじゃなかろうか。
まあ、無事ではないにしろようやくスマホを見ることもできたので翔子に無事の連絡でも入れておくか。
と、その前に、すべきことがあるな。
「ちょっと電話してくる」
「お?キョウが電話なんて珍しいでござるな。彼女かはたまた天野先生?」
「まあそんなところ」
コールがひとつも鳴り止まないうちにそいつは電話に出た。
「っははっ!連絡待ってたぜ、泉」
「相変わらずの軽快な口調だね」
「そりゃそうさ、やっと待ち人から連絡が来たんだからなぁ。それで?連絡くれたってことは手を組んでくれるのかよ?」
「慌てるなよ平。まずは聞きたい。平は「脱防御壁」について知ってたか?」
「んぁ?あぁ、知っていたとも」
「なんであの時に教えてくれなかったんだよ?」
「好奇心旺盛っぽい泉のことだ。自分でそこまで行き着くと思ってな。どうだ?防御壁と教科異能刀のことについてはなにかわかったか?」
「なんにも情報を得られてないことを知ってるくせにそんなこと聞くなよ」
「っははっ!まぁそうカリカリすんなって。じゃあ逆にこっちから情報を出してやるよ」
「異教で主任会が開かれた……とか?」
「っははっ!すげーすげーその通り。さすがは異教情報主任財前さんを殺しただけのことはあるな」
「殺しては……まあいいや。やっぱもう異教にその情報は行き届いてるんだな?」
「んぁ?そーさその通り。主任会では防御壁の破壊と教科異能刀の捜索の2つに分かれて動くみたいだぜ?11月からって話だ」
「平、そんなに喋って異教に消されるぞ?」
「っははっ!俺はお喋りが好きなんだよ。それに異教の情報も教会の情報も結構筒抜けだと思うぜ?」
「え?それってどういう?」
「なんだっていーじゃねーか。それで?話を戻すぜ。泉、連絡をよこしたってことは俺と組んでくれるのかい?」
「まだ全部信用したわけじゃねーぞ?一時的にだ」
「っははっ!用心深いこった。素敵な解答だな」