128.クリエイトとデバック
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「キョウ、焦っちゃダメでござるよ。主任の実力は相当高いからな」
「わかってるって。落ち着いてる」
バンッ!
「クリエイト。防御壁」
銃弾が作り出された壁に阻まれる。
「なんじゃなんじゃ、人が話しておるのに物騒じゃの」
「学校に無理矢理引き摺り込んだあんたがそれを言得るのかよ」
「鳥谷さん!」
「お前、まさか1人で相手しようとしてるんじゃないだろうな?俺も混ぜろよ」
「そのつもりですよ」
「こちらはそのつもりはありませんよ」
スッと情報主任の横に女性が現れる。
「おうおう、富永ちゃん。協力してくれるのかな?」
「財前主任は私の上司ですから。お守りするのは当然です」
「ふんふん。いい心がけじゃ。これで3対2かの?」
「4対2よ」
「島村さん!意識が戻ったんですね!?」
「ええ、あんなに強く揺さぶられたら流石に目が覚めるわ」
どうやら鳥谷さんは他の人に比べて相当強く起こしたらしい。
やっぱり思い入れがあるのかな?
「結構結構。数で負けているとはいえそちらに分があるとは思えないがのう。じゃがわしは油断はせんのでな。分断させてもらうとしよう。クリエイト。壁!」
ゴゴゴゴと壁が現れ、僕、ケンのペアと鳥谷さん、島村さんのペアに分断される。
僕の目の前には財前。
「わしの電子空間を壊したのはお前じゃからのう。わしが相手をしよう」
「……望むところですよ」
「なになに。わしの苦労話でも聞いてくれたまえよ」
「……聞くだけ聞きます」
「あのサイトを見てメールを送る。その後指定の画像を見る。この2つの手順をこなしてようやくこの異教アジトに強制的に体を動かせる。そしてそこでようやくそいつの意識を電子空間に飛ばせるってわけじゃ。そうまでして、苦労して連れ込んでわしが楽しく狩りをするんじゃ。その狩場を壊してくれた罪は重いぞ?」
「あなたを許してはいけないということだけはわかりましたよ」
「どうやら分断されてしまったようね」
「そのようだな。主任さんはあっちに行ったようだが。お前は誰だ?」
「富永と申します。平たく言えば財前主任の部下ですね」
「それだけで情報は十分だ。俺はお前を倒す」
「ところで富永さん?あの情報主任は「防御壁」と言いましたね?防御壁を作っているのはあの人なんですか?」
「私からはお答えすることはできません」
「私は防御壁は疎ましく思っています。それを取り払えるならその考えに賛成なんです。ですが、人間を強制移動させ、電子空間に閉じ込め、いたぶるという非人道的な行為には賛同できません」
「私は部下なので。そこに思考は必要ありません」
「じゃあ何も考えずに人をいたぶる上司に賛同してるって言うのかよ!?ワルサーP38!」
「デバック。ワルサーP38」
ワルサーP38は跡形もなく消失した。