127.分電盤と情報
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分電盤。
学校の電源を全てまかなっている場所、というか機器だ。
僕とケンは急いで職員室へ向かう。
当然、鍵は開いている。
「暗くてよく見えないでござるよ」
「手探りで壁をつたって探すんだ!すぐ見つかる!」
「うわっ!?離せ!」
「ケン!?どうした!?」
「どうもこうもないでござるよっ!」
ケンが何かを振り払う音が聞こえる。
当然か。
こんな場所に敵キャラを用意しないわけもない。
「ケン!スマホだ!もし襲われてるなら襲っている人間のスマホを壊すんだ!」
「暗闇でそんなことできたらとっくの昔にしているでござるよ!」
くっ……。
暗闇では分が悪い。
早く分電盤を見つけないと。
この空間の電源を落とさないと!
パンッ!
「!?」
銃声が鳴り響き、慌ただしかった音が止む。
「ケン!?」
「おい何モタモタしてんだよ。応援に来てやったぜ」
「その声は鳥谷さん!?廊下の敵キャラは!?」
「スマホで操ってんだろ?ならスマホを壊せば、スマホだけを打ち抜けば操れなくなるよな」
「じゃあさっきの銃声も?」
「俺の射撃の腕を舐めるな。大泥棒の相方や昼寝の天才ほどじゃないが自信があるんだ。もちろん闇目もきくぜ?」
なんて頼りになるんだ。
「鳥谷さん!分電盤の位置はどこですか?」
「お前のすぐ横だ。動くな。撃ち抜いてやる」
「撃ち抜いかないでください。逆に電源を落とせなくなる」
僕は手探りで分電盤を探す。
……あった!
これだ!
僕は分電盤のレバーを下ろす。
ギギギギという不快な音がしてレバーが下がる。
と、同時に辺りの景色が澱む。
いや、澱むというよりは、この空間が消滅していると表現した方が正しいのか?
「よく電源を落とすなんて方法を思いついたな」
「その声、あなたが「管理者」ですね?あなたはスマホを通じて人を操っていた。ということは異能は電子関連なんじゃないかと思いまして。なら場所そのものの電源を落とせば?舞台からあなたが送受信できる機器を無くせばあなたの元に辿り着けるんじゃないかと思っただけです。勘が外れなくて良かったです」
「ふんふん。さすがは教会所属の泉じゃのう」
「……僕のことも知ってるんですね?」
「いやいや、わしを誰だと思っている?異教情報主任じゃぞ?君の情報くらい知っておるわ」
学校という電子空間の舞台は消え、どうやらここは敵陣の真っ只中っぽい。
僕の家のパソコンの前に戻らなかったということは僕は体ごとワープしてたってことか?
「ほうほう。いろいろ考えとるようじゃの。じゃが考える必要はないぞ。今ここでわしに消されるからじゃ」
どうやら異教情報主任様はご立腹らしい。