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122.合流とリスタート

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よろしくお願いいたします。

「避難図によるとここが放送室ですね」

僕は懐中電灯を上のプレートにかざす。

薄汚れているが確かに放送室と書いてあった。

「……あれ?開かないわよ?」

「か、鍵でもかかってるんじゃぁ……」

途切れかかる広瀬さんの声に島村さんも反応する。

「そうみたいね。今度は鍵を探さなくちゃだね」

「鍵って普通は職員室にあるものですよね?」

「それと事務室ね。まあ、時間はまだまだあるし、合流する時間も決めてあったでしょ?一回食堂に戻りましょ。それで職員室を探すパーティと事務室を探すパーティに分ければ効率がいいわ」

なるほど。

どうやら島村さんにはリーダーの資質があるようだ。

テキパキとすべきことを理解している。


「それで泉くん、さっきのスマホの話だけど」

「え、ええ。なんでしょう?」

「なんでしょうって泉くんが閃いたんでしょ?スマホが使えるなら助けを呼べるかもって」

「そうなんですけど、僕のスマホ充電切れちゃって……。ほら、何にも反応しないんです」

「もう、肝心な時に使えないのね」

「まあ、使えたとしても助けを呼べるほどの友達はいませんけどね……。ははは……」

「こっちまで暗くなるジョークはやめてよ?」

まだ、この段階では、電源を切れというメールについて情報を漏らさない方がいいかもしれない。

そう考えていた。

「広瀬さんはスマホ持ってる?」

「は、はい。持ってます」

「普通はそうよね。鳥谷くんは持ってないのよ。今時珍しい。おかげで連絡もろくに取れないのよ」

「え?鳥谷さんとはお知り合いなんですか?」

「そうよ?昔からの付き合いよ。同時にこの空間に来たわけではないんだけどね」

そうなのか。

なんか意外な組み合わせだ。

「では食堂へいきましょうか。夜の学校って時間が経つのが早いんですね。感覚が狂っちゃいそうです」

「人間慣れていないことをするときはそんなものよ」


 食堂にはケンのパーティが先に到着していた。

「なんだずいぶん遅かったな」

「集合の10分前よ。あなた達が早すぎるのよ」

鳥谷さんと島村さんが喋る。

確かにこう見ると打ち解けている感じがする。

「おい、ケン。ちょっと」

「なんでござるか?」

「そっちのパーティで探索してる時にスマホ使ってたやついるか?」

「鳥谷さん全員使ってたでござるよ?懐中電灯だけじゃ光が物足りないからみんな、あっしも含めてライトがわりに使ってたでござる」

「あ……なるほど」

言われてみればそうだ。

常人ならライトとしてスマホを使うよな。

普段スマホをつつかない僕にはない発想だった。

「ケン、スマホの電源切っとけ」

「え、なんで?不便じゃないか」

「いいから。な?」

「まあキョウがそういうならいいでござるが」


 僕たちがそんな話をしていると、向こうでは島村さんが今後の方向性について話をまとめていた。

すごいリーダーシップだ。

要約するとさっきと同じパーティで僕たちは職員室、ケン達は事務室を探索し、放送室のできればマスターキーを探す。

1時間後にまた食堂集合。

緊急の時はスマホで連絡する。

こんな感じだ。

「岡村さん連絡先教えてくれる?」

「わかったわよ」


「ていうか誰も外には連絡しないんですか?」

「泉くん、ここがどこかわからないし、この状況を信じてくれる人がいると思う?」

「それはそうですが……」

「それにね、脱防御壁には興味があるの。せっかくのチャンスを無駄にしたくない。それはみんな同じなはずよ」

そうか……。

僕やケンはともかくとしてここにいるみんな脱防御壁の入会希望者だってことを忘れていた。

だからみんな助けを呼ばないんだ……。


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