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121.情報とスマホ

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 考えてみれば管理者の声は校内放送として聞こえていた。

本来であれば真っ先に調べておくべき場所だろう。

まあ、場所がわからなかったから仕方がないのだが。

問題はさっきみたいなことが起こらないとも限らないということだ。

「泉くん、前歩いてよ。男の子でしょ?」

「島村さん、今の時代は男女平等ですよ」

「あら、さっきの仕返しかしら。言い方が悪かったわね。現役高校生の方が学校という場所を歩き慣れていると思ったのよ。はい、懐中電灯」

「なるほど、わかりました」

そう言われてしまっては特に言い返すこともない。

僕たちは僕を先頭に放送室へと歩き始めた。




「財前主任、頼まれていたものを届けに参りました」

「おおおお。ありがとう。君は?」

「はい、二谷と申します」

「おおおお。君の噂は聞いておるよ。数学主任からな」

「……はぁ。そうですか」

「なんじゃなんじゃ。そっけないのう。情報と数学は学問的には似ておるというのに。仲良くしようや」

「前向きに善処いたします。それで財前主任は何をしておられるのですか?」

「狩りじゃよ」

「狩り……ですか?」

「そうじゃ。中途半端な知識で防御壁に近づく奴らをわしの空間に閉じ込めて殺すんじゃ」

「……はぁ」

「その反応、数学主任の兄貴にそっくりじゃのう。まあ君も見たまえ、この画面を」

「……!?」

「なんじゃ?知り合いでもおったか?」

「いえ……いや」

「かかかか。隠さんでもよい。わしは異教情報主任じゃぞ?君の知り合いのことも知っておる。のう、二谷くん?」

「知り合いだったやつです」

「かかかか。言葉遊びがうまいのう」

「この画面を見るに学校……ですか?」

「正確にはわしが電子上に構築した学校のような空間じゃがの。わし以外手出しはできん」

「そこの徘徊しているように見える人はなんです?」

「以前の参加者じゃ」

「死者を蘇らせていわゆる敵キャラを作っているってことですか?」

「いやいや、死者は蘇らんよ。使えそうなやつは生かして操っておるんじゃ」

「操る?」

「わしは異教情報主任じゃぞ?彼らが持っておるスマホにコードを送ればそいつはわしの意のままじゃ」

「財前主任、お喋りが過ぎますよ」

「おおおお、富永ちゃん。相変わらず手厳しいのう。じゃがその通りだ。では二谷くん、数学主任によろしく頼むよ」

「はい、失礼します」



 ピロリン

「泉くん、スマホが鳴ってるわよ。メールじゃない?」

「あ、そうですね」

自慢ではないが僕はあまりメールをしない。

決して友達が少ないからではない。

決して。

こんなときにメールしてくるやつなんて翔子か?

……ん?

スマホが使えるということはスマホで助けが呼べるってことじゃないか?

そんなことを考えながら僕は画面を見る。


 電源を切れ


 たった一言だった。

だが、僕は送り主を見てハッとした。

「友達から?」

「え、えぇ。そんなところです」

僕はそっとスマホの電源を切った。

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