115.脱と情報収集
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帰りの飛行機では何も起きなかった。
いや、何も起きないのが普通なんだけどね。
北海道行きの飛行機であんなことがあったから帰りも何かあるんじゃなかろうかとソワソワしていたが、ソワソワするだけ無駄だった。
翔子に至っては僕の横でクークー寝息をたてていた。
ちょっと可愛かったのは内緒にしておこう。
「じゃあ杏ちゃんまたね!明日は学校行く?」
「いや、いかないつもり。あれだけのことがあったんだ。明日くらい休んでもバチは当たらないと思う」
「そうだよね。うんわかった、じゃあまた明後日だね」
「おう、翔子も気をつけて帰れよ」
「家すぐそこだけどね。あ、そういえばお姉さんのところに報告しにいかなくていいの?」
「それも明日するつもり」
「そっかそっか」
そんなやりとりを済ませ、僕は自分の家に帰ってきた。
久しぶりの家なので、なんかソワソワする。
帰りの飛行機のソワソワとは別物だけど。
寝たい気持ちを抑え、パソコンの前に向かう。
別に寝て、明日でもいいのだが、気になるので今日のうちに情報を入れておきたい。
防御壁についての情報だ。
天野先生はまだその時ではないと言っていたけどその時がいつくるか分からない。
多少防御壁についても知っておきたいと思ったのだ。
平に手を組もうと言われたこともあり、興味は尽きなかった。
えーと、なになに?
僕はネットで防御壁についてサーチする。
一言で言うと、ネットの情報は当てにならなかった。
つい最近まで防御壁はなかったというサイトもあれば、ずっと昔から日本を守っているものであるというサイトもあった。
ていうかこれだけネットに情報出てるのに僕つい最近までその存在すら知らなかったんだが?
まあ、教科の力を使えるのは高校生になってからだから、関心がなかったっていうのもあるけどさ。
「……ん?」
しばらくパソコンと睨めっこしていると、興味深いサイトを見つけた。
サイトの名前は「脱防御壁」。
なんか「脱」って文字がついているだけで胡散臭く感じる。
「なになに?「防御壁は日本の世界進出を阻害している。私たちと一緒に防御壁を壊そう」か」
いわゆる過激派というやつなのだろう。
サイトの最下部には応募用のメールアドレスが書かれていた。
ふーむ。
脱防御壁というくらいなんだから、ここに連絡してみればある程度情報が集まるんじゃないだろうか?
それは小さいいたずらっ子のような気持ちだった。
おそらく、おそらくだけど防御壁を作っている、あるいは管理しているのは天野先生なのだろう。
教えてくれないなら自分で調べるまでだ。
まあ、連絡するのは明日にするか。
パソコンを閉じ、布団に入る。
久々の家の布団はそれはそれは寝心地が良かった。