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114.ご飯と横

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「やあ諸君、おかえり!」

元気よく出迎えてくれたのは滝澤先生だった。

「滝澤先生、ただいま戻りました」

「うむ。ん?まあ細かいことはおいておいて飯を食え!カツ丼を用意してあるぞ」

また残り物なんじゃないだろうな?

「あの、今回の件の報告をしたいんですが……」

心なしかか弱げに翔子が口を開く。

「それはカツ丼を食べながら聞こうじゃないか。まずは食え!人間は食べないと死んでしまうのだからな」

それはそう。


 支部の1階で椅子に座って待つこと数分。

カツ丼が出てきた。

しかも大盛り。

まあ、お腹が空いていたからいいんだけどさ。

「なんだ海崎先生、箸がすすんでいないぞ!食欲ないのか?」

「……いえ、戦闘の後であまり食がすすまないだけです」

「それはいかんな。しっかり食べなくては。どんなことがあった場合でもだ。諸君の顔を見れば何があったかは分からずとも、よくない結果だったのはわかる。だが、それと食べることは関係がない。いや、関係はあるな。しっかり食べて、体を作り、次に備える!非常に大事なことだ」

正論パンチだ。

でも翔子はその話を聞いて食欲を取り戻したようだった。

体育会系の人たちは常にこういうノリなんだろうか?

「時に泉先生。任務が終わったということは北海道から帰るのかい?」

「ええ、そのつもりでいます」

「海崎先生の連れて行ってやってくれないだろうか?」

「え、ええ、そのつもりでいます」


 滝澤先生は喋っているだけでガンガン威圧が飛んでくる。

小室先生と少し似ているが、厳格な威圧というよりは、有無を言わさぬ、警察官のような威圧だった。

実際に警察官なので当たり前ではあるのだが。

「そうか!それはよかった。海崎先生は私との修行カリキュラムを全て終えているのでな。あとは各自に任せる」

「修行カリキュラム?」

「杏ちゃん、教会保健体育に所属するとね、滝澤先生が稽古をつけてくれるの。全員に。それでね、基本任務がないときは自由なんだって」

ふむふむ、なんとなく国語と似ているな。

いや、天野先生は僕以外には修行をしていないのかな。

「それで保健体育の役目は「迎撃」だから。いわゆる敵が攻めてこない限りは基本任務がないの」

「へぇ、そうなんだ」

いいなぁ。

国語も「防守」なので似ているかと思いきや、防ぐ、守るだから、敵が来なくても守りを固める必要がある。

そいうい点が教科によって違うというわけか。

「まあ、海崎先生。必要とあらば連絡をする!それまでは泉先生の横にいていいぞ!」

「ちょ、ちょっと滝澤先生!」

翔子は激しく動揺していた。

なんで?

僕としては翔子が横にいてくれるのはいろんな意味でありがたいのだが。

「それでは泉先生、海崎先生をよろしく頼むぞ!用事があるのでこれにて失礼する!」

颯爽と滝澤先生は去っていった。

出て行く人に颯爽という言葉を使うのは変かもしれないが、それくらい俊敏な動きだった。


「杏ちゃん!変な意味じゃないからね!」

「じゃあどんな意味なんだよ?」

「どんな意味でもいいでしょ!細かいことを気にするの杏ちゃんのよくないところ!」

いや、それはいいところなんじゃないか?



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