113.連絡と嘘
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「無事なわけないじゃないですか。天野先生。なんなんですかあの人たち」
「はい、嘘を言わないでください。泉先生はほぼ戦闘をしていないでしょう?」
なんで知ってるんだよ。
怖いわ。
「まあ、その通りなんですけど。翔子はやられましたよ」
「やられてない!気絶しただけ!」
横から翔子がやいやい言っているがここは無視しておこう。
「教会においてやられたが意味するものは死です。生きて泉先生の横にいる。それはやられたとは言いません。あなた方はそこにいる。それでいいと思いませんか?」
「思いません」
「それで泉先生が少しでも善戦していれば格好もついたのでしょう。話がそれましたね。防御壁の修復ありがとうございました」
「え、ああ、任務ですので、しっかり修復しておきました。ていうか初めて防御壁見たんですけど、あれなんなんですか?」
「なんなんですかと言われても、私にもわかりません」
「……防御壁を展開してるの天野先生ですよね?」
「泉先生、今はまだ知るべき時ではありません。その時になったら私からお話ししましょう」
知るべき時ではない。
それは僕が弱いからなのか。
それとも時間的な関係なのか。
僕には分からなかった。
だが、一回拒否されてしまった以上、深く聞き返すのも変な話だ。
「わかりました。ちゃんと説明してもらいますからね」
「はい、その時になればの話ですが。ご苦労様でした。任務は完了しましたので、次の任務が入り次第連絡いたします」
「あ、待ってください、天野先生」
「はい、なんですか?」
「そっちに、教会国語支部に誰か来ませんでしたか?」
「いいえ、誰も来てはいません」
「……そうですか。ありがとうございます」
「はい、ではまた」
ここで電話は切れた。
ふーむ。
嘘をつかれているな。
平の話が本当であれば異教が教会国語支部を襲っているはずなんだが。
防御壁といい、僕に隠し事が多いんだよ。
まあ、隠し事をされる僕に原因があるのかもしれないが。
「杏ちゃん、電話終わった?」
「ん、ああ終わったよ。任務完了だってさ」
「やったじゃん!無事初任務こなせたね」
「無事じゃないって。負けてるんだから」
「負けてない!気絶しただけだもん!それに防御壁は直ったんだからいいのよ」
翔子は湊さんとの戦闘については多く喋ってはくれなかった。
まあ、それはそうか。
「それで杏ちゃん、この後どうするの?」
「え?どうするって?」
任務終わったんでしょ?帰るの?」
「そうだなあ。明日にでも飛行機に乗って帰るかな。久しぶりに学校にも行きたいし」
「じゃあ一緒に帰ろ!私も保健体育支部での任務今日で終わりだから!」
「任務?そういえば翔子は何か任務があったのか?」
「杏ちゃんにはひーみーつ」
「なんだよ、まあいいけどさ」
「さ、もう支部に着くわよ」
「はいはい」