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105.到着と岩場

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 なるほど。

天野先生の言っていた通りだ。

確かにこれは防御壁だろう。

僕は依然として船のままなので、近づいて翔子に触ってもらったり、何なら僕が体当たりしてみたのだがびくともしない。

それはそれは強固な防御壁だった。

「でも不思議ね。こんなに防御力が強いのに半透明っぽくてあっちの海が見えるなんて」

「確かになぁ。何でこんなもんが日本を囲ってるんだろうな?他の国も囲ってるんだろうか?」

「さあそこまでは私も知らないわ。でもベルリンの壁みたいに国境にこんな壁があってもおかしくはないわよね」

「まぁね。さて、着いたはいいけど僕は何をすればいいんだ?」

「だからその状態じゃ電話もできないでしょ?あそこに岩場があるわ。そこで船の状態を解除しましょ」

「オッケー」

僕たちは近くの岩場へ向かった。


「なんか船になった後に人間の体に戻ると変に温度を感じて不思議な感覚だ」

「へー。じゃこうしたらどう?」

不意に翔子が僕の手を握ってきた。

「こうしたらもっと温度、私の体温感じる?」

「……っ。あ、あぁ、感じるよ。元の感覚に戻ったよ」

「ふふっ。そ、ならよかった」

言うまでもないが心臓はバクバクだった。

たまに翔子はこういうことをお構いなしにやってくるから謎なんだよなぁ。

「杏ちゃん、早く天野先生に連絡してよ」

「そうだった、オッケー」


「もしもし、泉です。天野先生、防御壁に辿り着きましたよ」

「はい、泉先生ですか。こんにちは。そうですか。防御壁の様子はいかがでしょう?」

「いかがでしょうって言われても普通の状態の防御壁を知らないんで何とも言えないです」

「泉先生のことだから防御壁に攻撃してみたのでしょう?傷はつきましたか?」

言っとくけど、最初に攻撃したのは翔子だからな?

「……いえ、傷ひとつつきませんでした」

「それならば、防御壁は通常通りということです。ふむ。泉先生は防御壁に沿って周囲を探索してみてください。おそらくですが、どこかにひび割れがあるはずです」

「ひび割れ?」

「前にも言ったのですが、防御壁をよく思っていない人たちもいるみたいでしてね。ときに、泉先生、そこへぬ買うときに誰かとすれ違いませんでしたか?」

「え?ああ、そういえば一隻すれ違いましたよ」

「……まだまだ考えが及ばないのですね。いいですか?すれ違ったということは泉先生が今いる場所にいたということ。そしてそこには何がありますか?」

「何もありませんけど?」

「そうです。何もありません。防御壁以外はね」

「!!」

「そのすれ違った船に乗っている人物たちが防御壁にちょっかいをかけているとみてまず間違いないでしょう」

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