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101.起床とカツ丼

それでは第6幕、ごゆるりとお楽しみくださいませ。

 男子高校生の朝は遅い。

といっても今日は特別で早かった。

なぜなら翔子に起こされたからだ。

いや、正確にいうと同じ部屋に寝ていた翔子に横から起こされたからだ。

えーっと、幼馴染が朝起こしてくれるなんてほんとは夢見たいな瞬間なのだが、翔子の起こし方が強烈だったのと、場所が教会北海道支部であること、昨日の出来事が相まってあんまりいい寝覚めではなかった。

「もー!杏ちゃんおーきーて!おきないと……しちゃうぞ?」

「……なにをするんだよ?」

「ラジオ体操の音源を大音量で耳元に流しちゃうぞ」

こわっ。

全然かわいくなかった。

ん?

あれ?

「ていうか、翔子なんか、ぷんぷんしてない?」

「あ、当たり前でしょ!同じ部屋になることになってあんなことやこんなことや雰囲気とかムードとかどーしよーとか今日の服大丈夫かなとか下着はとか色々色々考えてたのに。杏ちゃん2秒で寝ちゃうし!!デリカシーがないの杏ちゃんのよくないところ!」

杏ちゃん2秒の辺りまでは小声で聞こえなかったがなるほど、すぐに寝てしまったのがよくないのか。

「なんだよ、ちっちゃい頃とかよく一緒にお昼寝してたろ?」

「それはそれ!これはこれ!」


「やあ、諸君、朝から元気がいいな、おはよう!」

「あ、おはようございます。滝澤先生!」

「うむ、おはよう。そっちの泉先生からはおはようの声が聞こえないが?」

「……おはようございます」

「うむよろしい。下で待っているぞ。朝は朝ごはんを食べなくてはな!」

豪快に笑いながら部屋を出ていった。


「相変わらずすごい豪快な正確だね、保健体育主任は」

「いい人なんだよ!私に戦い方とか教えてくれるし、杏ちゃんを保健体育支部に何も言わずに泊めてくれるし、……気を遣って杏ちゃんと同じ部屋にしてくれるし」

「え?なに?」

「京ちゃんと違ってデリカシーがある人なのよ!」

「……いや、デリカシーがある人はノックもせずに客人の部屋に入らないと思うけど」

「そーゆーことじゃないのー!もー私の気持ちにだけ察しが悪いの杏ちゃんのよくないところ!!」

とまあ、そんなこんなで僕たちはあの後教会保健体育支部にきていた。


 朝ごはんはカツ丼だった。

朝からヘビーだ……。

横で翔子はガツガツ食べている。

「毎日朝はカツ丼なのか?というか人が全然いないじゃないか」

「カツカレーの時もあるわよ。支部に常に人がいる国語支部が特殊なのよ。みんな別の仕事してるわ。任務がある時だけここを使うの。異教とか悪い人に居場所を知られるのはいいことじゃないしね。アジトみたいな感じ」

聞いてはいたけどやっぱり天野先生は特別なのか。

変な人だとは思っていたけど。


「私は鍛えてもらってる間はここに寝泊まりしてるのよ。朝ごはんは毎日滝澤先生が持ってきてくれるの」

「へぇ、案外というかさすがは保健体育主任。気がきくんだなぁ」

「なんでも職場で余ってるらしくて」

「職場で?なんだ?定食屋でもしてるのか?全然似合わないな」

「何言ってるのよ。滝澤先生の仕事は警察官よ」

めちゃくちゃ似合ってるじゃねーか。

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