14 S級冒険者VS魔王軍5
「あんたの本当の姿が人馬形態なら、あたしの『本当の姿』はこの炎をまとった形態だ……さあ、存分にやりあおうか!」
ごおおおおおおっ!
炎の槍がうなりを上げる。
さらに彼女の全身を覆う炎の一部が分離し、無数の火球となって打ちだされた。
「これは――」
驚くアリアンロッド。
「おーらおらおらおらおらおらおらおらぁっ!」
ライラの猛攻が始まった。
槍による接近戦と火球による遠距離戦を合わせた遠近二面攻撃だ。
だが――アリアンロッドはそれを冷静に見極めているようだった。
迫る炎を観察し、最小限の動きで火球を避けつつ、ライラの槍を自分の槍で受け止め、いなす。
とはいえ、炎の猛威を完全に防ぎきることはできず、彼女の体のあちこちが焼かれた。
じゅうっ……!
白煙を上げるアリアンロッドの体。
「ちいっ、直撃できない――」
「あなたの攻撃は直線的すぎるのよ。そして直情的すぎる――とても読みやすい」
アリアンロッドは冷ややかに告げ、
ずんっ!
ライラの胸元を槍で貫いた。
「が……はっ……!」
「あなたの攻撃は、もう見切ったわ。さようなら」
とどめとばかりに槍を振り上げるアリアンロッド。
「てめぇ……!」
が、ライラもさすがにS級だ。
ボウッ!
全身を覆う炎が爆発的に広がった。
「だったら、あたし自身が消滅するレベルの火力で、お前も焼き尽くす――」
ただでは死なないということか、自爆同然の攻撃を仕掛けるライラ。
「そんなことをいちいち宣言するのが直情的だと言っているのよ」
アリアンロッドは、どこまでも冷静だ。
「言わずにはいられないほどに魔族が憎いの? それとも――」
ざんっ!
ひるがえった穂先が、ライラの首を刎ね飛ばした。
「……いえ、あなたの戦う理由なんて、どうでもいいわね。あたしはただ魔王様のために敵を狩るのみ――」
ごろり、とその足元にライラの生首が転がった。
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