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1 歓迎の宴1


 その日の夜、豪竜ガーンドゥを同盟者に迎え、また魔王城修復のために多くの職人たちに来てもらったことを歓迎する宴を開いた。


 例によって宴席の手配や人員配置などはすべてティアがやってくれている。


 こまごまとした事務処理は全部彼女が片付けてくれているな……正直、頭が上がらない気分だ。


「……どうかなさいましたか、ディヴァイン様?」


 ティアが振り返った。


「お前は、いつもよくやってくれている。感謝している」


 自分でも意外なほど素直な謝辞が出てきた。


 相手が魔族だというのに――。


 しかし、いくら敵対種族とはいえ、こうして四六時中行動を共にし、『味方』として――いや『仲間』として過ごしていると、多少なりとも感情が軟化していくのを感じざるを得ない。


 もちろん根本的に心を許すことはない。


 こいつらを手駒として利用し、俺の最大の目的――S級冒険者たちへの復讐を果たすことに変わりはない。


 それでも、俺は――。


 と、思索にふけりつつ、俺はいったんティアと別れて会場内を歩き回った。

 いちおう魔王なので、軍の重職を担う者たちに順番に声をかけていく。

 と、


「ねーねー、魔王様、飲んでる~?」


 メルディアが話しかけていた。


「……お前は飲んでるみたいだな」

「だって宴だし。無礼講だし。というわけで、魔王様もあたしの酒を飲んで~」

「完全に出来上がってるな」

「うん、そう。にゃははは」


 楽しそうだ。


「無礼講とはいえ限度があるだろう。魔王様に対する礼節をわきまえろ、メルディア」


 と、横からやって来たのはアリアンロッドだ。


「もう、固いなぁ。アリアンは」

「アリアンロッドだ」

「? だからアリアンでしょ。愛称よ、あいしょー」

「愛称で呼ばれるほど仲良くなった覚えはない。というか、むしろ私たちは仲が悪い方だろう」

「じゃあ、これから仲良くなろうよ~」

「そういう馴れ馴れしいところが気に食わないのだ」


 アリアンロッドが険しい表情をした。


「もう、ノリ悪いな~」

「礼節をわきまえないよりはマシだ」


 やはりこの二人は相性が悪そうだ。




 俺は二人と別れ、バルコニーに出た。

 そこにはティアがいる。


「ふう……」


 ちょうど休憩中だろうか?


「いろいろと手配してくれて感謝する、ティア」

「ディヴァイン様」


 ティアは振り返り、一礼した。


「いや、楽にしていてくれ。休憩中だろう?」

「失礼いたしました」

「礼節はほどほどで構わない。無礼講だろう」


 先ほどのメルディアを思い出しながら、俺は言った。


「そうですね」


 ティアがかすかに微笑む。


「みんな、楽しそうにしているな」


 俺はティアに言った。


「魔王様の存在が全員に安心感を与えているのだと思います」

「えっ」

「先の戦いで我々はS級冒険者によって敗北を喫しました。先代魔王も封じられ、魔王軍の士気は大きく下がりました。ですが、新たな魔王であるディヴァイン様がその力をお示しくださったので、全員の気持ちに希望が灯ったのです」


 ティアが俺を見つめる。


「あなたの力があれば、次は勝てると――魔界は人間どもに滅ぼされたりしない、と」

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忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


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