表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/70

4 職人都市へ


「話が一段落したところで――そろそろ服を着たらどうだ、ティア?」


 俺は彼女からわずかに視線を逸らした。


 絶世の美女であるティアが一糸まとわぬ姿で目の前にたたずんでいるのは、さすがに意識せざるを得ない。


 とはいえ、ドギマギしている姿をあからさまに見せては、魔王としての威厳にかかわる。


「その姿は少々目の毒だ」


 俺は可能な限り泰然とした態度を崩さずに、ティアに着衣を促した。


「っ……! も、申し訳ございません」


 ティアは顔を赤くしてうつむいた。


 そそくさと足元に下ろした黒衣をふたたび身に着けていく。


 初心な反応が微笑ましい。


「――失礼いたしました」


 ほどなくして着衣を終えたティアが一礼した。


「では、さっきの話に戻ろう。魔王城の修復のために――その依頼のため、職人都市に向かおうと思う。俺がここを離れる間のことを打ち合わせたいから、メルディアとアリアンロッドを呼んでくれ」

「承知しました、魔王様」


 俺の命にティアがうなずいた。




 というわけで、俺の元にメルディアとアリアンロッドがやって来た。

 さっそく今後の予定を伝える。


「職人都市に行くの? じゃあ、ボクも行きたい~!」

「あたしにもお手伝いさせてください、魔王様」


 メルディアとアリアンロッドが口々に言った。


「全員を連れて行くわけにはいかない。ティアに留守を預かってもらう予定だが、その補佐をどちらかにやってもらい、もう一人は俺についてきてもらう」


「あたしは職人都市に顔が効きますよ、魔王様」


 と、アリアンロッド。


「あたしの着ている鎧もそこで作ってもらいましたから」

「ああ、魔界最高の鍛冶師が作った鎧だって言っていたな」


 俺はアリアンロッドと初めて会ったときのことを思い出す。


「あの都市の職人は気難しく、よそ者を好みません。たとえ魔王様といえど、簡単には言うことを聞かせられないでしょう」


 アリアンロッドが身を乗り出す。


「かといって、力で強制すれば、彼らは死を選びます。命よりも己の凶事や技術を大切にする者たちですから」

「死なれては困るな。大事な人材たちだ」


 俺はうなずいた。


「分かった。今回はアリアンロッドに同行してもらう。メルディア、お前はティアとともに城で待機し、何かあれば俺に連絡を」




 アリアンロッドに人馬形態に変身したアリアンロッドにまたがり、俺は職人街に出向いた。


 さすがに彼女のスピードは速く、一時間足らずで目的地にたどりつく。


 そこでアリアンロッドに人馬形態を解かせ、俺は彼女とともに職人街に出向いた。


「ここが職人たちの町です。鍛冶や建築など職能ごとに区画が違います」

「建築が最優先だが、鍛冶職人ともいずれは懇意にしておきたいな」


 俺はアリアンロッドに言った。


「兵たちの武装をよりよいものにそろえたい。来たるべき戦いに備えて――」


 そう、俺は遠からずS級冒険者たちに戦いを仕掛ける。


 奴らの戦闘能力は絶大だし、それに加え、S級の中には大きな権力を持っている者もいる。


 そういった奴らは強力な私兵団を形成しており、その戦力は下手な国家をはるかに凌ぐと言われている。


 奴らとの戦いは――『個対個』にとどまらず『戦争』になるのだ。


 だから、こちらの兵力の増強や底上げは必須だった。

【読んでくださった方へのお願い】

面白かった、続きが読みたい、と感じた方はブックマークや評価で応援いただけると嬉しいです……!

評価の10ポイントはとても大きいのでぜひお願いします……!


評価の入れ方は、ページ下部にある『ポイントを入れて作者を応援しましょう!』のところにある

☆☆☆☆☆をポチっと押すことで

★★★★★になり評価されます!

未評価の方もお気軽に、ぜひよろしくお願いします~!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をポチっと押して

★★★★★にしていただけると作者への応援となります!


執筆の励みになりますので、ぜひよろしくお願いします!


▼カクヨムでの新作です! ★やフォローで応援いただけると嬉しいです~!▼

忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ