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簒奪のディヴァイン ~仲間たちに裏切られた俺は最強の魔王に転生し、非情の復讐者となる。魔族たちを手駒にすべての敵を狩り尽くす~  作者: 六志麻あさ @『死亡ルート確定の悪役貴族2』発売中!
第3章 魔王VSネクロマンサー

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6 天使兵器

「神が魔を滅ぼすため、人間に与えた最強の兵器――それが【天使兵器】だ。高位の僧侶だけが召喚できるそれを、私はソルから託された」


 ライシャムが笑う。


「ソルとしてもできれば自分で来たかったのだろうが――私だけが魔界に侵入する【資格】を得られたからな。彼の代わりに私が【天使兵器】を操ることにしたのだ」

「魔界に侵入する【資格】……? どういう意味だ」


 俺はライシャムを見据えた。


「知る必要はない。さあ、やれ――【天使兵器】」


 にいいいっ。


 天使兵器が赤い口の端を吊り上げ、笑みを浮かべた。

 ゾッとするほど醜悪な笑みだった。


 くおおおんっ。


 楽器の調べのような美しい声。


 その声とともに、黄金の光線が一直線に地表を駆け抜けた。


 ごがあっ!


 周囲の壁が一瞬で吹き飛ぶ。


 その向こう側に――光線の軌道上に、先ほどの人払いで待機していた兵たちがいた。


「避けろ!」


 俺は叫んだが、すでに遅かった。


 ごうっ……!


 一瞬にして五百の兵すべてが閃光に飲みこまれ、跡形もなく消滅する。


「はははは、私のアンデッド兵を消してくれたお返しだ」


 ライシャムが愉快げに笑った。


「魔王様!」


 と、爆炎の向こうからティアが飛んできた。

 彼女も人払いで待機させておいたが、幸いにも光線には巻きこまれなかったようだ。


「奴が切り札を隠し持っていた。今から破壊する」


 俺はティアに言った。


「敵兵器の戦闘能力は未知数だ。俺から離れるな、ティア」

「承知いたしました」


 うなずくティア。


「破壊するだと? お前たちごときでは傷一つ付けられんぞ」


 ライシャムが勝ち誇った。


「いい気になるなよ」


 俺は奴をにらむ。


「【ファイアアロー】」


 炎の矢を生み出し、放った。


 その数はおよそ3000。


 通常なら数本から十数本程度を生み出すこの魔法を、俺は魔王の魔力によって大幅に本数を増やしていた。


「なっ、なんだ、あの本数は――」


 ライシャムが息を飲む。


 3000の炎の矢は巨人を取り囲み、全方向から一斉に襲い掛かった。


 爆発――。

 赤い炎に包まれる巨人。


 並のモンスターなら消し炭すら残らないところだが――、


「効いていない……?」


 俺は眉を寄せた。


 あれだけの数の炎の矢を受けながら、白い巨人はダメージらしいダメージを受けていないようだった。


「ははははははは! さすがは【天使兵器】だ! 魔王の魔法すら問題にしないとは!」


 ライシャムが哄笑する。


「これで形勢逆転だな! やれ、【天使兵器】!」


 くおおおおおおおんっ。


 ライシャムの声と同時に、【天使兵器】が歌った。

 さっき兵士たちを消滅させた攻撃が来る――。


「ティア、俺の側に寄れ」


 彼女を片手で横抱きにすると、


「【シールド】」


 俺は防御呪文で閃光を防いだ。


「魔王様……」


 ティアがつぶやいた。

 俺を見つめる瞳が不安げに揺れている。


「あの巨人の魔法防御はおそらく数百層。並の魔法では本体に損傷すら与えられないかと」

「数百層か……」


 俺にはそこまで感知できないけど、ティアはさすがに感知能力が高い。


「なら、もっと威力を上げるか――」


 思案するが、周囲への巻き添えを考えると、躊躇してしまうのも事実だ。


 ここには俺の本拠地である魔王城があるからな。

 攻撃の余波で城まで壊すのはまずい。


「よし、近接戦闘で破壊するとしよう」


 とりあえず方針転換だ。


「近接戦闘……って、あの巨人とですか!?」


 ティアは驚いた様子だ。


「【帝極斬天剣(ディゼルブレード)】」


 俺の右手に黒い魔力の輝きがあふれる。


 その輝きが収束し、黒曜石を思わせる漆黒の大剣へと変化した。


 魔王の魔力を凝縮し、物質化して作った剣――まさに魔剣だ。

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忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


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