5 憎悪の尋問
並の人間なら今ので十回はショック死しているだろう。
だが、さすがはS級冒険者の精神力というべきか、ライシャムはまだ生きている。
……まあ、本当に死んでしまわないように、もし彼がショック死するようならそれを防止する魔法を保険としてかけておいたが。
それを使わずとも、ライシャムは生きている。
とはいえ、すさまじいダメージを負ったらしく、彼の髪は真っ白になっていた。
「もう一度質問するぞ。レイを――俺の妹を殺した奴は誰だ? お前か?」
「ち、違う、私じゃない!」
ライシャムが叫んだ。
「私は関係な――ぐああああっ!」
ふたたび苦痛を与えてやった。
「『関係ない』などという台詞を二度と吐くな。お前は関係者だ」
「あが……あああ……」
ライシャムは激痛で涙を流しながら、
「こ、殺さないでください……お願いします……」
度重なる痛みで心が折れ始めたようだ。
「この期に及んで命乞いか」
俺はライシャムを冷ややかに見下ろす。
「村の人たちが命乞いをしたときは躊躇なく殺したくせに、我が身は可愛いか」
「お願いしますぅぅぅ……」
「まあ、いい。質問を続けるぞ」
俺はみじめに命乞いをするライシャムを見下ろし、いったん苦痛を与えるのを止めた。
「レイを殺した奴は誰だ? お前じゃないなら、誰か心当たりはないのか?」
「心当たり――」
ライシャムは何事かを考えている様子だ。
「ちょっと待ってください。今、思い出してみます」
「いいだろう」
俺はライシャムを見下ろした。
だが、いつまで経っても答えようとしない。
ブツブツとつぶやき、当時を思い出そうとしているようだが――。
と、
「くくく、少し私に時間を与えすぎたようだな、魔王」
ふいにライシャムが顔を上げた。
「何?」
「ここに来る前、私はソルから『切り札』を預かってきたのだ。それを使うためのチャージ時間を稼ぐことができた。お前とのやり取りでな」
「切り札、だと?」
「いでよ、【天使兵器】――すべての魔を殺し尽くせ!」
ライシャムが朗々と叫んだ。
ずずずず……。
空間に亀裂が走り、そこから巨大な何かが降り立つ。
全身が白いヌメヌメした体表の巨人。
顔には目や鼻がなく、異様に赤い口だけが笑みの形で付いている。
「まだ、こんな切り札を隠し持っていたのか」
となると、さっき心が折れかけたように見せたのも、時間を稼ぐための演技だったのかもしれない。
「意外と策士じゃないか、ライシャム」
ただし、魔王にはどんな策も無意味だと今から教えてやる――。
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