10 魔王軍の増強計画について
こうしてティアに続きメルディアも俺の新たな配下となった。
とはいえ、現在のところ俺の配下のうち、高位魔族はその二人だけ。
「先代は高位魔族をどれくらい従えていたんだ?」
「おおよそ五十といったところでしょうか」
俺の問いにティアが答える。
現在、俺はティアとともに最上階で話し合いをしていた。
話題は主に、今後の方針を決めることだ。
メルディアは先代のときも『近衛隊長』を務めていたそうなので、継続してその任に当たらせている。
他に、魔王城周辺を守っていた竜やゴーレムなども、メルディアが支配権を奪っていたのだが、俺の元に取り返すことができた。
「そいつらを従えるには、どうすればいい……?」
頭の中で考えを整理する。
現状の戦力で仮に人間界に戻ったとして、S級冒険者たちに勝てるだろうか?
まず、無理だろう。
俺自身は彼らに後れを取るつもりはない。
だが、相手は多勢だ。
さすがに二十二人のS級を俺一人で打ち倒すのは難しいだろう。
一人一人狙いを定めた上で、確実に勝つためには、強力な手駒がもっと必要だ。
話し合いの後、俺はティアとともに中庭に出た。
まだ話し合いの結論は出ていない。
気分転換を兼ねて、一緒に中庭まで来たのだった。
ちょうどメルディアがアンデッド兵たちと訓練をしていた。
「あ、魔王様!」
と、メルディアが振り返った。
髑髏の騎士ではなく、美少女の姿だった。
「ボクたちの訓練を見に来てくれたの?」
「メルディア、なんだその口の利き方は」
ティアが注意した。
「えー。こっちの方が話しやすいし。前の魔王様のときはこうだったじゃない」
と、不満げなメルディア。
「俺はどちらでも構わないが」
俺はメルディアを見た。
「普段はその姿なのか?」
「えっ? ああ、女の子の格好の方がお気に入りなので~。でも、【人化】を長時間すると疲れるから、髑髏モードになったり女の子モードになったり、気分次第かな」
「二つの姿で戦闘力に違いはあるのか?」
「んー、髑髏の方が強いよ。髑髏を10としたら、女の子は7くらいかな」
「なるほど」
「ところで、ボクの姿はどう? 魔王様、気に入ってくれた?」
メルディアがニヤニヤ笑いながら、擦り寄ってきた。
「魔王様に対して馴れ馴れしいぞ」
ティアが不快げに言った。
「構わん」
俺はそれを制する。
「ですが、魔王様の威厳というものが――」
「メルディアは規律で縛るより、あまり押さえつけない方が力を発揮するタイプだろう」
おそらく、な。
「俺の役目は部下に規律を守らせることじゃない。能力を最大限に発揮させ、実戦で最高の戦果を挙げさせることだ」
「……魔王様がそう仰せなら」
ティアはまだ不満そうだったが、しぶしぶと言った感じで矛を収めてくれた。
そう、魔王の威厳などどうでもいい。
お前たちはしょせん手駒だ。
俺にとって最大の戦果を挙げ、魔王の勢力を拡大するための力になってくれればそれでいいんだ。
俺が魔王として力を付ければ付けるほど、俺自身の最終目標――『S級冒険者たちへの復讐』が近づくんだからな。
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