表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/70

7 圧倒的な力で魔王城に侵攻する1

「メルディアは最上階にいるようです」


【探知】の魔法を使ったティアが報告した。


「じゃあ、空中から直接乗り込むぞ」


 俺とティアはそのまま最上階に向かっていく。

 と、


 ごうんっ!


 城の各所に備えられた魔力砲がいっせいに火を噴いた。


「なるほど、迎撃機能か――【シールド】」


 俺は魔力の防壁を張り、四方から飛んでくる魔力弾をすべて弾き返した。


 シールドが激しく揺れる。

 さすがに破られることはないが、間断なく魔力弾が飛んできて、その圧力でなかなか前に進めない。


「上階の防御は堅いか」


 攻撃魔法で魔力砲を片っ端から破壊すれば、最上階までの道は開けるだろうが、城をあまり壊したくない。


 ここを奪還した後は、俺の居城になるんだからな。


「少し面倒だが一階から上がっていくぞ」

「承知しました」


 俺たちは正門を超えた付近に着地した。

 たちまち、


「貴様、何者だ!」

「ここが魔王メルディア様の居城と知ってのことか!」


 兵士らしき魔族が十数体やって来た。

 その背後には五体のゴーレムが、頭上には三体の竜が控えている。


「魔王メルディア……? 愚かな! 奴は魔王軍の一幹部にすぎん!」


 ティアが怒声を上げた。


「それが『魔王』を名乗るなど、恐れ多いにもほどがある!」

「……ティアマト様」


 兵士長らしき先頭の魔族が言った。


「魔界では『力』がすべて。『力』を持つ者が、持たない者を支配する――ゆえにメルディア様が新たな魔王様となられたのです」

「お前ごときに魔界の道理を説かれる覚えはない」


 ティアが冷然と告げる。


「それに――先代魔王様は『力こそがすべて』という現状を変えようとなさっていた」

「……ほう?」


 ティアの言葉に、俺は思わずうなった。


 先代魔王はそんなことを目指していたのか。

 人間界を侵略する一方で、魔界に関してはお優しい政策だったようだ。


「力こそすべて――いいじゃないか」


 俺は一歩前に出た。


「お前たちのルールに合わせてやる」


 右手を前に突き出す。


「【魔人の掌】」


 ぴしり。


 上空の一部に亀裂が走った。

 空間が割れ、その向こう側から全長50メートルはありそうな巨大な腕が出現する。


 手のひらをいっぱいに広げ、そいつは俺の前にいる魔族たちや巨人、竜をまとめて叩き潰した。


 ぐちゃっ……!


 骨と肉が砕ける音。

 血がしぶく音。


 一瞬の後、魔族、巨人、竜のすべてが圧殺されていた。


 残酷な絵面だが、相手は魔族たちだ。

 心は痛まない。


「なっ……!?」


 ティアが息をのむ。


「一瞬で、こんな――」

「これなら魔王城の制圧も難しくなさそうだな」


 俺はティアに視線を向けた。


「いくぞ」


 魔王城を、取り返す――。




 俺とティアは城内に入った。

 とたんに武装した騎士団が前方からやってくる。


「侵入者め!」

「メルディア陛下の命により成敗する!」


 騎士たちが叫ぶ。


「無礼な! ここにおわすは、新たな魔王様である! 控えよ!」


 ティアが怒声を上げた。


「そもそもメルディア『陛下』だと! 本来の魔王様を差し置いて――」

「ティア、言葉で説く必要はない」


 俺は彼女を制した。


「魔王様……」

「力ですべてねじ伏せ、奴の元まで最短距離で行く。そうすれば」


 周囲を見回し、ニヤリと笑う。


「全員が理解するだろう。全員が納得するだろう。真に力ある王が誰なのかを――」


 ヴンッ……!


 俺が突き出した右手に紫色の光が宿る。


「消えろ」


 無詠唱の魔力波を一撃――。

 射線上にいる数十の騎士がまとめて消滅した。


「ひ、ひいっ……」

「力の差を理解したか? なら、道を開けろ」


 俺は奴らに命令する。


「この城を制圧した後、お前たちは俺の兵となる。不必要に減らしたくはない」

「ううう……」


 騎士たちがたじろいだ。


「だが、行く手を阻むなら容赦はしない。全員消し飛ばして進むだけだ」

「くっ、我々はメルディア陛下のために――」


 どんっ!


 何かを言いかけた騎士を、俺はふたたび無詠唱の魔力波を放ち、消滅させた。


「さあ、選べ。退くか、挑むか」

「ど、どうぞ、お通り下さいっ……!」


 騎士たちはいっせいに平伏した。

【読んでくださった方へのお願い】

面白かった、続きが読みたい、と感じた方はブックマークや評価で応援いただけると嬉しいです……!

評価の10ポイントはとても大きいのでぜひお願いします……!


評価の入れ方は、ページ下部にある『ポイントを入れて作者を応援しましょう!』のところにある

☆☆☆☆☆をポチっと押すことで

★★★★★になり評価されます!

未評価の方もお気軽に、ぜひよろしくお願いします~!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をポチっと押して

★★★★★にしていただけると作者への応援となります!


執筆の励みになりますので、ぜひよろしくお願いします!


▼カクヨムでの新作です! ★やフォローで応援いただけると嬉しいです~!▼

忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ