ヒイロ 忙しい日
戦争をした翌日、夜には緊急で3ヶ国会議がある。場所は島なんだが 朝から昼は時間があるため、ドランとレッドのご褒美から始めるとしよう ホワイトとブルーのご褒美は1日が潰れるからな
「ドラン、レッドご褒美やるか」
「それでは父上、広い場所に行きましょう」
「どっちが先か決めているか?」
「父さん、僕が最初です」
レッドは調子に乗ると一人称が変わり性格も変わるが怒られてからしばらくは真面目くんになる 今は真面目くん、この間の依頼でドラゴンになったからな クリスとロイからの報告は聞いている
「午前はレッド、午後からドラン、夜は3ヶ国会議だな ルールは」
「魔法あり、ドラゴンなし、戦闘不能になるまで、時間無制限です。」
魔法は使っていい、ドラゴンに戻るのはなし、ルールは作っておかないとな
「場所はどこでやるんだ」
「メガンシアの外、ゴブリンを迎え討った場所がいいかと」
「レッド、行くか」
「はい」
「父上、僕は昼からなので行かないです」
「分かった、ホワイト審判を頼む あとは回復魔法も」
「分かりましたわ お父様」
島からメガンシアの外へ転移した
「お父様、レッド、もう一度確認しますね 魔法あり、ドラゴンなし 時間無制限 どちらかが戦闘不能になるまででいいですね」
「あってる」
「いいぞ」
俺とレッドは距離を取り、お互い得物を構える 俺は刀でレッドは槍だ ホワイトの合図で始まる
「始め」
ホワイトの合図でレッドが先に動いた 槍から放たれる突きの速度は早いが躱し、受け止め、受け流す
「レッド、こんなもんか」
「まだだ、親父を越えるんだ」
レッドは突きからの槍を使っての足払いだが飛んで躱される ヒイロは着地と同時に首を狙い刀で突きに動くがレッドはバックステップでギリギリ回避出来た
「さすが親父だ」
ヒイロはレッドへ追撃をする。武器のリーチは圧倒的に槍の方が有利なのだがレッドの連続突きは最初の攻防と同じ結果になり、ヒイロは全て躱しながらレッドへ接近し腹に蹴りをいれる レッドの方は防御が出来なかったためダメージを受け、ヒイロはそのまま追撃に入ったがレッドの手から魔法が放たれ追撃は失敗に終わる
「ファイヤーウォールで追撃を防いだか、甘いな 甘いぞレッド」
ヒイロは居合いの構えから抜刀 炎の壁は一瞬で消え去った
「げっ」
「本気でやれ、レッド」
レッドは慌てて、ヒイロへ突っ込んだがヒイロの正拳突きが腹に直撃しレッドの意識は失った
「お父様、怪我の方は」
「俺は怪我なんてしていないからレッドを回復させてやって」
ホワイトはレッドに回復魔法を使った
「お父様、手加減されていましたね レッドの怪我の具合で分かります」
「レッドが本気でやらないからだよ」
しばらくしてからレッドが目を覚ました
「父さんに負けたのか」
「レッド なんで真面目に戦わなかった」
「それは父さんが怪我すると母さんたちが悲しむから」
「本気で戦うって話をしたよな」
「・・・・・・」
「怪我しても治せるようにホワイトを連れて来たんだ、怪我くらいなら俺でも治せれる レッドはしばらくの間島で修行な レディに言っておくから」
転移魔法で島の屋敷へ帰る
「おかえりなさい、ヒイロ様」
「ただいま、クリス、ロイ」
ロイは寝ている 寝る子は育つていうからな
「レッドとの模擬戦はどうでした?」
「手加減されたから手加減した」
「ヒイロ様、午後からレッドを鍛えますね」
「レッド、頑張れよ クリスは俺よりも強いからな」
レッドとの模擬戦では身体強化しか使ってないからなドランとの模擬戦までには回復するだろう それよりもレッドは午後から地獄だよな
昼食後、ドラン、ホワイトと共にメガンシアの外へ転移する
「お父様、先ほどと同じでいいですよね」
「いいぞ、ドランはちゃんと本気で戦ってくれるはずだから俺も腕の1本くらい覚悟しておくからな」
「頑張ります。父上」
俺とドランは距離を取り構える ドランの得物は両手にナイフを持っている それと闇魔法だな
「始め」
ホワイトの合図で始まった ドランは影に隠れて移動を始めた
「あれの捉え方がわからないんだよな」
ヒイロは目を瞑り感覚を研ぎ澄ます。予想通りの動きをドランが仕掛けた
「背後からだよな、ドラン」
背後からドランが現れたがヒイロが迎撃行動に移っているため、ドランは次の手を使う
「ダークフィールド」
突如、黒いドーム状の空間に閉じ込められた 中は上も下もわからない暗闇だ
「真っ暗だな」
なんかのアニメか漫画であったよな
「フラッシュグレネード」
ヒイロの魔法は暗闇の空間全てを光で照らした。するとドーム状の空間は崩れていく
「ドランは賢いなここまで予想はしていたんだろ」
後ろからドランが攻めてくる ナイフを刀で叩き落としたがドランはあきらめてはいなかった
もう片方のナイフでヒイロの左肩を刺し、叩き落とされたナイフを回収してから影に潜った
「準備運動にはなったな」
影の中は空間だろ、ためしてみるか 刀に魔力を込め 自分の影を斬る
「空間断裂」
影の中にいたドランは血まみれで飛び出してきた 左足がなくなっている
「父上、降参します」
成功したな、次元を切り裂くなら時空魔法と空間魔法の合せ技だからな 時空魔法を使えないというか存在していないから使えないのだが
「ホワイト、ドランに回復魔法を」
「は、はい」
ホワイトは回復魔法でドランの怪我を治した 失った左足も元通りになっている
「お父様も回復しますので」
「ありがとう」
左肩の傷は治った
「ドランは賢いから魔法の応用を考えようか」
「はい、精進します」
「魔法ならマリン辺りに聞けばいいから」
転移魔法で島へ帰った
「ヒイロさん、おかえりなさい」
「ただいま、アリア お腹大きくなってるね」
「もうじき出産ですよ、あとハイエルフの成長は早いので」
「アリアみたいな可愛い女の子なら嬉しいな」
「私はヒイロさんみたいな格好いい男の子がいいです」
ハイエルフの成長速度がどんなに早いのかはわからない アリアの年齢も 鑑定でも偽装されているような感じなんだよね だって18歳+って書いてるし
夕食前にとてもいい笑顔をしたクリスとボロボロで燃え尽きているレッドが帰ってきた ボロ雑巾だな
「ヒイロ様、レッドは鍛えがいがありますので暇な時は面倒を見ますね 母親としては当然ですわ」
「ほどほどにね」
夕食後、転移部屋からライオネルが来た
「夕食後ならいいが、夕食前だとさすがに悪いと思ってな」
「それでもライオネルが1番乗りだぞ」
エミル、公王陛下の順番で転移してきた。会議用の屋敷へ案内する
「ここ、休みの時に泊まった場所じゃない」
「エミル女王、その話あとでお聞かせください」
「公王陛下も泊まりたいのですか?」
「公務から離れて休みたい時もあるのですよ」
別荘を建てるのもありかもしれないな
会議室へ、ホワイトボードも置いてある 会社の会議室みたいな感じだ フリーターだったから会議室なんてドラマやアニメの中のイメージだけなんだよな
ミレディアに聞いてすり合わせもしたが結果は同じだった
「緊急会議を始める 議題は帝国の皇族をどうするか」
ライオネル主導で会議が始まった
「捕らえた皇族は何名なんですか」
「第2皇子以外ですね、第2はクリスが始末しました」
「何をやらかしたんでしょうね、クリスティーナを怒らせるなんて」
お義父さんその話よく聞かせて クリスをなだめる方法を重点的に
「俺もあの戦場にいたが騎士を奴隷にして無理矢理言うことを聞かせていたからな ヒイロとホワイト殿がいなければ戦死者多数だった」
ホワイト殿?、ドラゴンだからか
「昨日、白い光の雨が降ったけど ヒイロの仕業?」
「公国側にも降りました 呪いや病気が治ったという報告が来ました」
「こちらもだ城に帰ったら仕事が増えていた」
捕らえた皇族は8人、
「第1と第3皇子は反抗的、第4と5は担ぎ上げられただけだろう そういえば第3皇女クラーラとは面識があったわ」
「ヒイロ、それを早く言いなさい」
「ヒイロくん、妻を増やしてもいいけどクリスティーナの機嫌を」
「そうであったか ヒイロは顔が広いな」
褒められているのか怒られているのか
「奴隷商狩りを始めた当初に奴隷商に捕まっていたのを助けただけですよ そのあとは勇者の婚約者だったり 勇者は俺が始末したので恨まれていると思いますよ」
事実を述べただけだが
「友好的な皇族は平民として受け入れましょうか」
「それでも奴隷にされた民たちがなんというか」
「悪いのは奴隷商ですし、何もしなかった帝国が悪いですが元凶は消えたから少しばかり遺恨が残るだけだと思いますが」
「ヒイロの度量が広いのはわかるのだが」
「反抗的な皇族に責任を取らせましょうか」
「ヒイロ、話してみなさい」
「磔にして帝国内の街や村を行き、帝国が滅んだことを民に伝えます。情報の隠蔽をしていたと思われますから 最後には打首ですね ヒノモトでよくやる死刑です。」
会議の結果、俺の案が採用された 最後の打首は恥辱を晒したあとでも反抗的な者だけにすることになった
「次の議題は同盟国を増やす」
「ヒノモトとジオラル共和国辺りか?」
「ヒノモトは遠いわね 転移門が合っても有事の際に駆けつけづらいのが問題ね」
「ジオラル共和国は俺も賛成だ 獣王国との友好国だからな」
「パレツント王国はどうですか」
公王陛下の発言に俺とライオネルは顔をしかめた 王が無能で周りが優秀だから成り立っている国らしいからだ ラミリア経由の話だが
「俺もヒイロもメガンシアしか行ったことがないからな」
「メガンシアというと冒険者ギルドですか 公都にも冒険者ギルドを建てているので」
「依頼を見に行くと民が何に困っているかが分かるからな、出来るだけ改善できるようにしている」
俺はエミルを見る
「い、忙しいからまだ行ってないわ」
忙しくないだろ、弟の宰相に仕事を丸投げしてるだろ
今回は追求はしないが
「来月の会議後に同盟国を増やすとするか」
「ライオネル王、来月では遅いのでは」
「各国で話し合う時間も必要だろう、全てをヒイロに任せるのも王としてはどうかと考える」
「ヒイロくんは少し休んだほうがいい」
「休みながら中立都市の開発は進めますよ 2ヶ月くらいは掛かりますね」
「そういうことだな」
会議は終わった。そもそも俺、王じゃないし場所の提供だけだからな
「ヒイロくん、来月の会議後 島で休暇を取りたいのだけど」
「お義父さん、別荘を建てておきましょう」
「ありがとう クリスティーナの嫁ぎ先の男が優秀過ぎて泣きそうだよ」
「ありがとうございます。」
そういえばクリスの家族とはまともに話したことないな
3人を転移門でお見送りしたあと屋敷ヘ帰った
「ただいま」
「おかえりなサイ、HERO」
「シルヴィア、待っていたのか」
「YES、今日は私のターン」
「風呂入ってくるから」
「Oh!お風呂エッチね 」
風呂と寝室でシルヴィアと楽しんだ、シルヴィアが激しいせいで寝不足になった




