ヒイロ 皇族軍を蹂躙する
敵軍到着までまだ少し時間があるため、俺は着替えた
「ヒイロよ その格好はなんだ」
「相手への威嚇かな 皇族は震え上がるぞ」
この格好でわざわざ薬を盛りに行ったからな
「5000人だろ、デカい魔法で戦意喪失させた方が手っ取り早いよな」
「帝国の騎士がどれほどのものか戦ってみたい」
ライオネルはバトルジャンキーだったな
「お父様、私たちが元の姿に戻りましょうか」
「それは最終手段だからな、許可は出さないぞ」
「マリンが魔法で蹴散らす、まだ戦えそうなやつをライオネルが相手するでどうだ」
「よかろう」
「それヒイロが楽したいだけじゃない?」
「俺は大将首を捕るぞ」
5000人の軍勢がこちらに向かって歩いて来ている
「うわ~人がゴミのようだ」
「今、魔法を打ち込んでもいいのか」
「ヒイロは戦が初めてか」
「そうだな」
「簡単に説明しよう 大将同士が挨拶をし、陣地へ帰るそこから始まるのだ 今攻撃するのは無粋だ」
初めて知ったんだが
「誰が大将をするんだ」
「身分が高い者が普通だぞ、俺は1兵士だから含めるなよ」
クリスを見る 笑顔で頷いてくれた
「大将はクリスだな」
「剣姫の異名はペック獣王国にも届いている 大丈夫だろう」
ドランが慌ててやって来た
「父上」
「どうした」
「もう5000人合流します 敵の将は女性のようです。」
合流する旗のシンボルは第1皇女だな、帝国の皇族は人の話を聞かない自分の言い分が正しいとか思ってる残念な人間だ だから他国に嫌われんだよな
「ライオネル、俺が煽りに行くわ」
「おいおい」
俺たち8人+2匹対1万人の軍勢との戦争が始まる 敵との距離は1kmほどだ 馬に乗って2人の男女が出てきた
こちらは俺とクリスが行く
「まだ顔色が悪いぞ」
「貴様に盛られた毒のせいだ」
「まだ犯された方がマシだったわ」
皇子と皇女がキレている 俺が盛ったのはレディ製の下剤だ
「風呂に入れよ臭うぞ、臭い」
「チッ」
2人は軍勢に戻って行く、俺とクリスは転移魔法で即座に戻り マリンは魔法を放つ 濁流が1万の軍勢を飲み込んだ
「中級魔法か」
「当たり、ライオンさんの分も残しておかないとね」
「感謝するぞ」
マリンの魔法で6000人は戦意喪失してしまった 残り4000人か 俺なら転移魔法で後ろに回れば終わるけど
「我が名は獣王ライオネル 帝国騎士の強さを確かめに来た 推して参る」
ライオネルは己の肉体のみで戦う 槍を掴み引き寄せて騎士を殴る 剣の斬撃は鍛え抜かれた肉体を斬ることが出来ず拳の一撃で沈む
「ライオネルは凄いな バンバン、ブンブンも行って来ていいぞ」
バンバンとブンブンはライオネルの加勢に向かった
「ライオネル王と殴り合ったヒイロ様も凄いと思いますわ」
「クリスはいつもありがとう そろそろ決着を着けるか」
ライオネルとバトルパンダたちのおかげで残り1000人を切った、俺は転移魔法を使い敵の軍勢の後方に転移 ちょうど逃げ出そうとした皇子と皇女に遭遇する
「逃げるのか 逃げてもお前らに未来はないがな」
「うるさい、貴様と剣姫が悪い」
知らねぇーよ
「エアプレッシャー」
皇子と皇女の頭上から風圧を叩きつける 2人は落馬し馬は逃げ出した
「アクアプリズン」
水で出来た牢屋に2人を収監した。
「父上、南門側から4万人の軍勢が向かっています。」
「生き残りの皇族共だな」
気を失っているこいつらに聞くだけ無駄だか
「ライオネル」
「どうした」
「南門に転移するぞ」
「分かった」
先にライオネルとバンバン、ブンブンを南門に送り届けてから東門側に転移する
「クリス、南門に4万だ」
「この人数ではさすがに無理ですわ」
「生死を問わなければ簡単なんだが」
「私は島へ戻り、戦力を連れて参ります」
「こっちも殺さないように頑張るよ」
クリスは転移門を設置している民家へ向かい、残りは南門へ、ドランにはアクアプリズンの2人を回収してもらう 転移の杖は渡してあるから大丈夫だろう
「ヒイロ、来たか」
「クリスが援軍を呼びに行ってる」
「帝国の最後の足掻きと見ていいだろう」
「この戦争に反対するまともな皇族がいたら助けてもいいんだけどな」
「俺も殺さないように殴るのは大変なんだぞ」
「骨の1本、2本は覚悟してもらっていいだろう」
声が聞こえる、風魔法で声を拡散しているのだろう
「我が名は第3皇子ラースリー、我が帝都を占拠している賊よ直ちに解放せよ 繰り返す」
賊扱いか~
「ライオネルどうする」
「ふむ、時間稼ぎをして援軍の到着を待つのが定石だろうな」
「問題はどこまで時間稼げるかだな」
「やれることをしようか」
俺とライオネルは南門の外へ、残りは南門の中で待機
「よう、皇族共腹の調子はいかがかな?」
「キサマ、ゆるさんぞ」
第3皇子は激おこぷんぷん丸状態だ
「帝国は実力主義の国だったよな」
風魔法を使い自分の声を相手全体に聞こえるように拡散させる
「皇帝を殺した俺が帝国の皇帝に相応しい それに先程第1皇子と皇女の軍勢を10人で叩き潰したがそれでもお前たちは戦うのか 降伏するなら命までは取らない、帝国民の大好きな奴隷にしてやるぞ」
4万人、統率は取れていないだろう ここで逃げ出すやつが現れてもいいのだが 鑑定をすると騎士たちは奴隷紋により強制的に支配されている状態だった
「ライオネル、聞いたら確実に怒るぞ」
「説明しろ ヒイロ」
「騎士たち全員奴隷だよ」
「ヒイロよ、それは俺も怒りを覚えるな 民有ってこその国だ、騎士は国を護り民を護るだが騎士もまた民なのだ そんな人々を奴隷にするなぞ 言語道断だ ヒイロ俺にも魔法を頼む」
ライオネルに風魔法を使い声を拡散させる
「俺はペック獣王国、獣王ライオネル 滅んだ帝国の土地をサンディア王国、エレジア公国、ペック獣王国で中立都市にするだけだ お前たち生き残りは王の器では在らず 帝国の滅びを受け入れよ」
睨み合いは続く、これでもまだ15分だ
「こちらには第1皇子と皇女が人質でいるが」
「負けた弱者は用済みだ」
実の兄弟でもこの扱いか 人質は使えないな
「ライオネル、奴隷紋を解呪するか」
「操られている状態よりかはマシになるな あの数はさすがにヒイロでも厳しいだろう」
「ドラゴンを使う」
「なるほど」
「ホワイト、新しい服と下着は買ってやるから戻っていいぞ」
帝都から白いドラゴンが飛んできた
「お父様、本当に買ってくださるのですね」
「ご褒美デートの時に買ってやるから とりあえずあの数なんだが解呪頼める?」
「お父様、お手伝いをお願いしますね」
ドラゴンを見て皇族たちは戸惑っているように見えたがホワイトの頭に乗り、魔法を使う
「ホーリーブレス3重」
ホーリーブレスは光、聖魔法の威力と効果範囲の増加をしステータス上昇などある。それを3重に重ね掛
「セイントメテオライトシャワー」
ホワイトは天に向かって魔法という名のブレスを放つ
天から白い光の雨が降り注ぎ、光の雨に触れた者の異常状態を治し、欠損箇所があるものはたちまち回復する
ヒイロの補助魔法のおかげで効果範囲は世界中に拡散し天からの救済の雨と歴史に刻まれた。またとある国のとある領地では奴隷たちの奴隷紋が解呪され奴隷による奴隷のためのクーデターで領主が亡くなった ヒイロが知るのはもっと先の話であった。
「騎士の奴隷紋は解呪したぞ、今なら武器を捨て降伏した者の命は取らないと約束しよう」
4万人のうち2000人ほどは武器を捨て降伏した 残り3万8000人
「ヒイロ様」
「クリス、間に合ったな」
「島から手練れを30人招集して参りましたわ」
ロイにレイ、ユキムラ、ガム ダリスもいる
「お前ら決して殺すなよ 皇族は俺が捕獲するからな」
戦争と言うなの蹂躙戦が始まる マリンが魔法で濁流を放ち、皇族軍前線の部隊が飲み込まれ押し流される
濡れた地面をブルーが魔法で沼に変化させる 身動きの取れない騎士が続出する
沼を迂回する者もいるがそこにはライオネルやダリスなどの島の男たちが待ち受けている
「人族と肩を並べて戦えるとはな」
「うちの大将も人族ですぜぃ 獣王の旦那」
「そうであったな ヒイロの島の者たちとは話が合いそうだ」
「殴り合いだけは勘弁してもらえるとありがたい」
沼を迂回する別ルートではクリスを筆頭に島の女性たちが待ち構えている
「クリスさん、こんな機会ありがとうございます」
「元は私も悪いですがヒイロ様のせいですわ」
「英雄ヒイロ様のために少しでも恩返しを」
「クリスさん、婚活パーティーに行きたい」
「今は戦いましょう」
クリスは前よりも強くなっているな
「俺、クリスに勝てないわ」
「お父様、大丈夫です お父様は強いですわ」
「俺も仕事するかな ホワイトは着替えに帰っていいぞ」
「それでは1度帰ります」
俺は転移魔法で皇族軍の後方へホワイトは帝都内へ飛んで行った
「まず1人目」
近くにいた子供を捕獲した。
「なにか言うことは?」
「・・・・・・・」
「黙りか、なら血を借りるぞ」
ナイフで子供の腕に切り傷を付け血が流れる その血を媒介に魔法を使う
「ライトニングチェーンブラッド」
血を情報を元に同じ血統を持つものを繋ぎ、捕獲する鎖を放つ 戦場にいる皇族の右肩を貫通し繋ぎ合わせた
「捕獲完了、皇族は全員捕まえた 騎士たちよ仕える相手を間違えたな」
手に持った鎖を引っ張ると繋がれた皇族が次々と引きずられて来た
「俺の勝ちだ、諦めろ 周辺諸国は帝国は滅びたと認識しているからな 帝国の土地は中立になり帝都は貿易都市になる 参加国はこれからもっと増える予定だ お前たちの処遇は考えておこう 抵抗するならカザジガ教導国かアガンダ王国に奴隷として売りつけるぞ」
奴隷の扱いがとても酷いらしい2ヶ国だ 襲撃予定の2ヶ国でもある
近いうちに3ヶ国会議があるしそこで処遇を決めるか
皇族の反乱は呆気なく終息した。今夜は島で宴会は確実だな、ドランたちのご褒美もあるし忙しいぞ




