ヒイロ 王都へ行く
アリアと暮らし初めて3日が経った。その間俺も彼女への理解を深めた。
エルフはラノベやゲームのような長寿ではなく、人間と同じぐらいの寿命だということ、エルフの男は歳を重ねる事に人間ほどではないが老けていくが女性は若さを保ったままだという話だ。
アリアの年齢は18歳で俺より年上だったので敬語を使ったら怒られた、年上扱いされるのは嫌みたいだ。
夜は1人で寝ることが出来ないため、同じベッドで手を繋いで寝ることにしている。奴隷の時の話は聞かないようにしている、聞いてしまうと今の生活が壊れそうだからだ。
料理に洗濯など頑張っているから俺も彼女に何かしてあげようと思ったが、手持ちが金貨10枚だけでお金を稼ぐ手段がない、衣食住には問題はないが
「アリア、街に出かけないか?」
「はい、お供します。着替えて来ますね」
アリアは着替えるため自室へ向かった。俺の部屋とアリアの部屋があるが彼女の部屋は着替えるため部屋で寝る時は俺の部屋にいる。
「お待たせしました。」
彼女は着替えて来たのはいいのだが、魔物を狩りに行くのでないんだけどな
「街に行きますし、ヒイロさんに合わせて私も動きやすい服装の方がいいと思いまして」
「そうなんだ、とても似合っているよ」
どこの街に行こうか、アリアを買った街には二度と行かないが
「レディ、サンディア王国は人種差別とかあるのか」
「いえ、一部の貴族が治める領地だけです。デートなら王都に行くのがよろしいかと」
「そうだな、王都から少し離れた所の映像を見せて」
レディのモノアイから森の中の映像が映し出され、その場所を頭でイメージして転移魔法を発動、アリアの手を繋いで門をくぐった。
「本当に森の中にいますね」
「転移魔法は成功しているから良かった、いまいち自分の魔法を信用出来ないからね」
「あのヒイロさん、私は嬉しいのですが」
俺はアリアの手を繋いだままだった。
「ごめん、でも今日はデートだからね アリアの日頃の頑張りにプレゼントを贈りたいけど、お金を稼ぐ方法も考えないとね」
「私にプレゼントなんて、ヒイロさんの側にいるだけで十分ですよ」
「思い出として残る物を贈りたいからね」
アリアの手を繋いだまま、森を抜けると遠くに大きな街と城が見えたからそこを目指して歩く
「馬車があれば楽なんだけどね」
「レディさんに頼めば作ってもらえるかもしれませんよ」
「アリア、あの島は5000年前のロストテクノロジーの塊だから表立って見せれないからね」
「ごめんなさい」
「謝ることじゃないよ、くれぐれも島のことは話さないようにね」
少し先の場所で馬車が襲われていた
「アリア、この道の先で馬車が襲われているから助けに行くけど」
「私は遠距離でサポートします。」
俺もアリアも身体強化で走り、アリアは弓の射程範囲で立ち止まり、俺はそのまま馬車へ向かった。
馬車の周りには盗賊が10人おり、護衛の騎士は5人中4人が殺されている。
俺は刀を抜き、まず1人を斬る、きれいに首だけが落ちた。
「頭!!」
斬ったのはリーダー格だったようだ、逃げるかと思ったが盗賊たちは仇討ちのため、標的を俺に変更した。
アリアの弓の援護で3人は即死、2人ほど致命傷を避けれたが矢が深く刺さっている。
弓も矢もレディが作っていたな、普通は刺さる程度なんだけど貫通しているし
残りの4人は峰打ちで昏倒させた。馬車には家紋か何かが付いており、貴族の物だと思うが 馬車から人が降りてきた。
「この度は危ない所を助けていただきありがとうございます。」
30代くらいの男性が出てきた。生き残った護衛の騎士は20代くらいだ。
「助けれる命を助けるのは人間として当たり前のことですから」
「御礼なのですが」
「いえ、大丈夫ですよ 王都には観光で来ただけですので」
走って来たアリアが合流する。
「そちらの方は」
「私の相棒です。先ほどの戦闘で弓でサポートしてくれました。」
生き残りの盗賊の処分などを助けた貴族の人に任せて、俺たちは王都へ向かった。
「あの人、貴族でしたが良かったのですか?」
「アリアとのデートをあそこで時間を取られるのが嫌だったからね」
王都へは名前と年齢を書くだけの手続きだけで簡単に入れた。偽名でも入れるよね、あれじゃ 管理が甘いのと身分証明書は必要だよな




