ヒイロと女王陛下の夏休み2
夕食はヴィシソワーズにマグロのカルパッチョ、サーモンのマリネにパン、あっさりだと思う 魚に関してはレディが捕獲してくる、島といってもレディが言うには飛行船だが、底引き網漁のような漁法で捕獲しているという話だ
調理するのはララ、ルル、アリアなのだが他の女性陣は作り方を教わっている。3人の教え方は分かりやすく丁寧そして優しい こんな先生に会っていれば俺の人生も変わったと思う。
「レディ、ライルとユキムラを呼んで来てくれ」
「マスター、2人共屋敷の前にいますよ」
俺は屋敷を出て2人に会う
「ライル、ユキムラ 朗報だ、向こうは嫁ぐつもりで来ているぞ」
「僕は覚悟を決めましたよ」
「ヒイロ殿、某はどう妻となられる方を幸せにすればいいかわからないです。」
「ユキムラは槍しか握ってこなかった不器用な男だろなら自分の思っていることを言えばいい、花火が終わった後がタイミング的には最高だと思う。」
「ヒイロ殿、某、当たって砕け散りますぞ」
「砕けるな、ユキムラは普通の話し方も覚えた方がいい」
「普通に話すことは出来ますがなんと言いますか 私の見た目と違うので」
話し方が変わった瞬間、武士から少年に変わったイメージがした。
「2人を呼んで来るから最後までエスコートするように」
屋敷の中へ戻り、カノンさんとマリーさんを呼んで 夜のデートに行かせた。
「レディ、10分後花火開始で」
「了解しました。」
「外に出ましょうか、花火を見に行きますよ」
屋敷の外に出て、大きめのシートを広げて、みんなで座る
大きな花火が打ち上がった、とても綺麗ですぐに散って儚い そんな花火が30分ほど続き、終わった。
「夏って感じね」
「働きだしたら、毎日仕事で夏を満喫する暇なんてないからな」
「転生した今を楽しみましょう、神様も言っていたでしょ」
「そうだな、俺とエミルを含めて転生者は16人で1人死んでいるから後13人いるはずなんだが会ったことあるか?」
「無いわ、他国にいる可能性もあるし」
「エミルみたいなパターンか俺のパターンかで分かれるだろうし、産まれて来た子供が転生者の可能性もあるからな」
「確かにランダムね」
敵対しないなら保護してもいいかもしれないな
花火が終わった夜、カノンさんとマリーさんは屋敷に帰ってこなかった、帰って来たのは朝方でまさしく朝帰りってやつだ。詮索は女性陣に任せるとして
「ヒノモトに移動します。」
転移魔法で門を出して、ヒノモトに移動する。アヤメと初めて会った海岸に転移した。
いつも通り、忍者の皆さんのお出迎え
「ヒイロ殿、久しいのう アヤメも久しぶりだな」
「お久しぶりです。お祖父様」
「カゲミツさん、こちらにいるのはサンディア王国現女王エミル陛下なのですが、今回はお忍びという形でよろしくお願いします。」
「ヒイロ殿の話はヒノモトにまで届いておるからのう、大丈夫じゃ それでは案内するぞい」
カゲミツさんの案内でキョウの街に着いた、今回はユキムラも連れて来ており、マリーさんを両親に会わせるために来た 君たち昨日、階段を登ったんだね
ユキムラとマリーさんには夕方頃に戻って来るように言っておいた。
ヒノモトの案内はカゲミツさんに任せて、俺とアリア、アヤメ、クリスはフェリの所へ カゲミツさんに行くように言われたから仕方なく行くことに
「ヒイロ、久しぶりだな 初めましてもいるな、我はフェリオン・カザマ 妖精族だ フェリと呼んでいいぞ」
「で呼び出した理由は」
「もう少し話をしてから本題に移りたいのに、仕方ないな、3人目の妻クリスティーナに関係ある話から」
「私に関係ある話ですか」
「おぬしの故郷、エレジア公国は1ヶ月後崩壊する。それも大量の魔物によってな」
クリスは驚いている。レディも言っていたな、スタンピードが発生するとか
「今のままでは崩壊するんだろ」
「ヒイロは察しが良すぎて面白味がない」
「俺たちの介入で公国は救われる。犠牲が出るかまでは分からないけどな」
「そういうことじゃ、後は時期に分かることだから言わないでおくぞ」
ちょっと気になるんだが
「サンディア王国と貿易はしないのか」
「そうだのぅ~船だと最短で10日掛かるからのう 転移門があれば楽なんじゃが」
俺に作れと言いたいのか
「また今度な」
「何かあれば来るといい」
フェリとの話が終わり、城を出ると夕方だった。ユキムラとマリーさんも帰って来ていた。
「ヒイロ、遅いわよ」
「お前は気楽でいいよな」
「あんたに言われたくない」
カゲミツさんにお礼の挨拶をした、早く曾孫の顔が見たいから頑張ってくれと言われた。1人3回戦✕3回をやっているけどね
転移魔法を使い島へ帰還した。
夕食後、エミルに聞いてみることにした。
「なぁ、転生前のことを覚えているか?」
「当たり前じゃない、五十嵐恵美16歳だったわ」
転生前、俺には弟がいた、20歳で結婚 俺が死ぬ前には3人目が腹の中にいるとか言っていた、その弟の子供は3人目の性別は知らないが長女と次女がいた、次女の名前が恵美だった
「いつ死んだんだ」
「2035年よ、私よりも叔父さんが先に死んじゃったけどね、名前は確か・・・・」
「五十嵐緋彩だろ」
俺は2022年に死んだからな、まさかの姪だったか
「そうそう、なんで知っているの」
「ということは過去、現在、未来から死んだ人間が転生されたことになるな」
「ヒイロ叔父さん?」
「4歳ぐらいだったよな、あんまり顔を合わせることもなかったし」
「今まで通りでいいからな、2人っきりの時は話でも聞いてやるから」
「ありがとう」
「妻たちには俺たちのことは知っているけど、まさかの親戚だったとはな」
「お父さんみたいに話やすかったんだもん」
「今日はもう休めよ、明日、朝には城に帰るだろ」
「うん」
「水着と浴衣は持って帰っていいし、また休みを作って友達と遊びに来い」
「ありがとう、ヒイロ叔父さん」
「ヒイロでいい、今は年齢も逆だからな」
「そうだね、おやすみ」
「おやすみ」
エミルは部屋に戻っていった、妻たちと話し合いますか
「3人共、出てきていいぞ」
「聞いていました。」
「エミルさんがヒイロ様の姪だったとは」
「転生前の話だからな、今は血の繋がりはないぞ、それよりもクリス、近いうちにお義父さんに挨拶しにいくからね」
「挨拶は建前でスタンピードの話をしに行くのですよね」
「レディ、公国の宝物庫には鍵はあるか」
「検索します。・・・・・・・ありました。」
「宝物庫にある鍵が欲しいからもらう約束を取り付ける」
「ヒイロさん、島が大きくなるのですね」
「アリアさん、3隻目のおかげで航行が可能になります。まだ飛ぶことは出来ませんが」
話を切り上げて、寝室で眠った
翌朝、転移門を通り王国の屋敷へ移動 カノンさんとマリーさん以外の女性陣を見送った。
「1ヶ月以内に公国がスタンピードに合うから助けに行くから」
「分かったわ、ヒイロも無茶しないようにね」
エミルは馬車に乗って城へ帰っていった。弟よ、お前の娘は立派な女王をしているぞ




