カザマ 予選大会は煙幕でござる
時を少し遡り、予選開始前、ブルースフィアの格納庫で作戦会議がおこなわれていた
「アリス殿には遠距離射撃をしてもらう方が」
「神龍の荷電粒子砲はチャージ時間が掛かるのと使うとやられた方は死にかけるか下手をしたら死んでしまうから予選では使わないかな」
実際の威力を見たことなかったがヒイロ殿はよくあの機体に勝てたでござるな
「ヒイーくん、相手だと使わせてもらえなかったが答えかな」
「近接戦闘が多かったでござるな〜」
「一応、威力を弱めた拡散型を撃つことが出来るけど味方も巻き込みそうだから」
神龍の荷電粒子砲はロングレンジとワイドレンジに切り替えが可能だった、と言ってもアリスの神龍は改造されているからで製品の物はロングレンジの荷電粒子砲しか撃てない
「セルフィ殿も機体の操作はマオ殿との模擬戦の頃よりも良くなっているでござる」
「あれから色々訓練しました。」
「各自各個撃破でいいんじゃない?」
「何かあれば神龍の拡散荷電粒子砲を頼むでござる」
「いいけど全力で逃げてね」
作戦がまとまったのか?微妙でござるな〜
エミリー殿が格納庫までやって来た
「アリスお姉様、そろそろ目的地に到着です」
「分かった、エミリー、通信すればいいんじゃない?」
「いえいえ、ついでに激励に来ました。」
「エミリーより、ヒイーくんがいいな」
「また、あの男、ぐぬぬ」
エミリー殿はヒイロ殿のことを嫌っていたでござるな〜
姉君を取られたからでござろうか
「セルフィ殿、セルフィ殿、エミリー殿はなぜヒイロ殿を綺羅っているでござるか?」
「たぶんですが、リエッタがヒイロさんの武勇伝をブルースフィアで広めているからですかね リエッタの場合、話を盛ることが多いので色々美化されていますが」
「それだけでござるか?」
「エミリーもどこかの誰かさんと同じで身内になった人物には甘いのですよ、男は全て敵になっていますが」
エミリー殿もヒイロ殿と同じでござったか
「お姉様、私はまだあの男のことを認めていませんから」
エミリーは格納庫から走って出ていった。
本人がいると兄上と呼んでいるがいないとあの男でござるか〜あの男なんか格好いい呼ばれ方でござるな
カザマたちは機体に乗り込み、予選会場に向かった。
「各自、足場はどうでござるか?」
「こっちは大丈夫、フライトユニットもあるから」
「雪国育ちなので大丈夫ですよ」
セイクリッドスターのセルフィ殿が暮らしていた国は雪国でござったな
続々と予選参加者が集まってきた、ほとんどの機体には雪原地帯用に使われるスパイクソールを足底に装備している
「作戦は各個撃破、アリス殿、飛ぶのは様子を見てからでござる」
「了解」
試合開始の合図が鳴り響き、全ての機体が一斉に動いた
カザマの斬影・忍は密集地帯に煙幕を投げ込み、煙に紛れて闇討ちをする
アリスの神龍はフーチ型ハーケンで1体の足を絡めとり、ハンマー投げの要領で集団に投げ込む
セルフィの赤兜は正面から1体、1体斬り伏せていく
チーム風林火山は予選通過、本戦に進むことが出来たが煙幕を使ったことに抗議があったらしい
大会本部からは煙幕も作戦の1つということでお咎めはなかったようだ
ブルースフィアでメガデウスに戻っている間に他の場所の試合を観戦する
「ヒイロ殿たちは・・・・・・やり過ぎでござる」
「ヒイーくんらしいね」
「さすがヒイロさんです。」
他の試合は普通過ぎてつまらなかったでござる
「金剛をどう攻略するかでござるか?」
「ヒイーくんのリベリオンとマオの黒猫は誰が足止めするの?」
「そこが問題でござる アリス殿、金剛の砲撃と神龍の荷電粒子砲どっちが強いでござるか?」
「最大出力で相殺出来るかどうかだと思う。それに最大出力で撃つとオーバーヒートして機能停止するけど」
「セルフィ殿にはヒイロ殿とマオ殿を抑えてもらうしかないでござる」
「1分持たせれるかどうかだと思いますが」
ヒイロたちと合流するまでの間、本戦で当たった時のことを考えている3人であった。




