ヒイロ 管理者に会う
歩いていると野球ボールくらいの大きさのある白い球体が俺の目の前に現れた、どうやら付いてこいと言っている気がしたため、後を追いかけた。
白い球体を追いかけていると、一軒家が見えてきた。一軒家に近づくと先ほどの白い球体よりも大きくバレーボールくらいの大きさの球体がそこにいた。
「始めまして、マスターヒイロ 私はあなたをサポートする自立思考メカ、レディヴェントと申します。私のことはレディとお呼びください」
5000年前のロストテクノロジーといったところか
「レディ、俺はこの島のことをよく知らないのだが」
「それでは説明させていただきます。」
球体のモノアイから映像が映し出され、島を立体化したものが映し出された。
「まず、この島は5000年前に製造された飛行船です。飛行船内部には家の地下から入ることができますが緊急ようですので。この島の周りは霧に覆われていて今のこの世界の人間には見つけることは不可能です。」
外部からの侵攻がないのは平和だな
「マスターやマスターの認めた人だけが島の存在を知覚することができます。食糧の方は島で菜園や放牧をしていますので問題はありません、服や防具、武器なども島で製造することができるのでマスターには人材を集めて欲しいのです。我々には柔軟な発想がありませんので」
「分かったけど、俺に交渉能力はないから期待はしないでくれよ さっそく街に行きたいのだけど」
レディのモノアイから別の映像が映し出される、街の映像だな
「この街はサンディア王国の南側にあるエラスと呼ばれている街です。ここからの距離も遠くないのでマスターの転移魔法でも行くことができる範囲内です。」
「レディ、人目がない路地裏の映像はある?」
この映像はリアルタイムの映像で、世界中に散らばっているマイクロマシンが記録した情報をレディに集められている。現在映し出されている路地裏には人がいないため、転移しても気づかれない
「行ってくるよ。」
俺は転移魔法を使った。門が現れて、転移先の路地裏が見えている俺は門をくぐり路地裏に転移した。
「転移成功だな」
この世界には冒険者ギルドや傭兵ギルドはなく、魔物を狩り、素材を直接馴染みの店に持っていき、金を受け取るようになっている。そのため、徒党を組むと山分けなど配分を考えないといけないため、個人プレーが多いみたいだ。それと教育の問題だ、貴族や商家の家では家庭教師を雇い、子供に教えているが平民の子供は教会で文字を覚える程度だ。
この世界は今だ未発展の世界なんだと改めて感じた。俺は街を歩いていると、店の前に檻に閉じ込められている女性を見つけた。近づいて確認をする。
彼女は奴隷のようだ、髪がボサボサで長く金髪で目が虚ろで身体中には黒紫色の痣みたいな物がある 呪いのようだ 右足が欠損している。虚ろな目と目が合うが喋れないようだ。
「俺なら君を治すことができるけど生きたいなら頷いて欲しい」
女性は頷いて涙を流している。優しい言葉を掛けられた事が無かったのだろう。彼女を購入することを決めたが、問題がある。俺、お金持っていたかな?




