ヒイロ 水龍王に会う
アリアに言われた通り、アクアを連れて禁足地へ転移した。
「アクア、遠くに行くなよ」
「うん」
昨日、伐採した木を加工、乾燥させないと使えないため、加工した木材が溜まっていく
「女の人がいる」
アクアはヒイロの方を見るが、少しだけ離れても大丈夫だろうと判断し、女の人の方へ
その女性は青い髪で薄い生地のドレスを着ておりとても美しい
「おねえさん、どうしたの?」
「この場所に人の子?エルフか 珍しいわ」
「私はアクア、おとさんと来てるの」
「アクアちゃんね、うーん どうして私の上位の加護を持っているの?」
「かご?たぶんリューくんがね あげるってくれたの」
「リューくんって?」
「えっとね、白くてね、このくらいのお話できるドラゴンさん」
龍神が与えることができる加護は○龍神の加護であり、水龍王の存在より上位である
「アクアちゃん、お父さんの所に案内してくれない」
「いいよ」
この女性、水龍王は自分よりも上位の存在を感じたため、現れたのだが、目の前にいるエルフの子供がその正体であり、まだ警戒はしていた。
アクアの後ろを歩いている水龍王は考えた。
龍神の加護を与えることが出来るのは龍神様だけであり、残りの龍王も300年以上、龍神様の姿を見ていない
「おとさん、人」
「どうした、アクア」
ヒイロはアクアが連れて来た人を見て驚き、臨戦態勢を取った
「アクア、こっちに来い」
「ちょっと待って〜警戒しないで〜 威圧を出したのは悪いと思うけど」
「要件は?」
「その子、私より上位の加護を持っているから気になっただけなの」
水龍神の加護より、下位なら水龍王か
「あんたは水龍王?」
「そうよ、私は水龍王リヴァイアサンよ」
「俺はヒイロ、こっちは娘のアクア ここに別荘を作る予定だ」
「それ、本気? ここは龍王の住処なのよ 私以外の龍王だっているし」
「龍神様はそんなこと言ってなかったぞ」
「え、ちょっと待って、龍神様に会ったの?いつ?」
「一昨日、カレーを食べに来てたよな」
「うん、おじいちゃんとリューくん、ネコさんとコウモリさんも連れて来てたよ」
ドラゴンの上位種は龍神様を知っているだけで、他の神は知らないだろう
「龍神様を呼ぼうか?」
「人にそんなことが出来るわけないでしょう」
「カレー作ったら来るもんな」
「うん」
「そんな、食べ物で釣られるわけないです」
ヒイロはカレーを作り始め、アクアは野菜の皮むきをレディ製ピーラーを使って手伝い、いつも通りカレーが完成した。
「とても良い薫りですが、龍神様が釣られて来るわけないです」
「とりあえず、食べるか」
「おとさん、辛いの食べれない」
「ちょっと待ってろ」
別の鍋にアクアの分のルーを移して甘めに調整する。
「なるほど、はちみつを使うのか」
「龍神様、食べたくなった?」
「ヒイロ、我にも甘いカレーを頼む」
「はいよ」
2人分の甘めのカレーを作り、アクアは美味しそうに食べている
「龍神様」
「水龍王、なぜここにいる」
「水龍神の加護を持った者がいましたので、それと龍神様が我々の前に現れなくなってから、300年以上経っております。」
「リヴァさんに頼まれてカレーでおびき寄せたんだよ」
「ヒイロのカレーは美味だ、どんなドラゴンも手懐けれるぞ」
「龍神様も手懐けてることになりますね」
「そういうことだ」
龍神様、チョロくね?神でしょあんた、チョロくてどうする
「ここに別荘を建てても」
「許可する」
「龍神様」
「このヒイロは邪神の企みを阻止した者だ、今後のことを考えているのだろう。 それに上位神のお気に入りだぞ」
「リバアちゃん、食べよう。 美味しいよ」
「そ、そうですね いただきましょうか」
リヴァさんはカレーを食べ、目を輝かせている
「参りましたわ、アクアちゃん 何かあったら私を呼んでね 飛んで行くからね」
「うん」
「それにしてもあなたから他のドラゴンの匂いもするのですが」
「ドラゴンを6人育てているからな」
「なるほど」
「ヒイロは6属性のドラゴンを我が子のように育てている」
「そういえば、龍神様 レッドのやつが嫁を作りました。」
「あの、未熟者が それでも喜ばしいものだ」
昼食後、リヴァさんはアクアの魔法を見てくれることになり、俺は伐採と加工だけでこの日も終わった
「また、明日」
「リバアちゃん、バイバイ」
「リヴァちゃんと言っているのに」
「ヒイロ、明日はカレー以外も食べてみたい」
「何か考えておきます」
当分昼食はキャンプ飯になるから色々試して見る価値があるな
転移魔法で島の屋敷へ帰った。




