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今回は仲良くしてる話が書きたくて書きました。病み要素はほぼないで、デレてるだけですが。次話以降病み要素は入れるつもりです。

 礼司と付き合ってから、2ヶ月が経つ。その日は、恋愛映画を観て、イタリアンで食事をした。

 「なっちゃんは、いつも幸せそうだよね。美味しそうに食べるし、楽しそうだし。なっちゃんといると、安心する」

 そう言った礼司は嬉しそうだけど少し儚げで。

 「それはきっと礼司といるからだよ」

 と、少しキザっぽいセリフを言う。割と本気で。

 「なっちゃんは、いつも僕を引っ張っていってくれる。いじめっ子から助けてくれたし、高校受験も手伝ってくれた。本当に感謝してもしきれない。」

 人から感謝されるのは悪い気がしない。

 「ありがとう。幸せになろうね」

 そして礼司と私は一緒に笑う。


 辛いことがたくさんあった。お互いに。

 その夜、私と礼司は都会の夜景の見える高級ホテルに泊まる。高層ビルの明かり、車のライト、全てが眩しかった。

 疲れた私は、礼司にもたれかかる。しまった身体の感触がシャツ越しに伝わった。フカフカのソファ、テレビをつける気は起きず、指を絡める。礼司の琥珀色の瞳と視線がぶつかる。幼さの残る、非常に小さな顔、薄く形の良い唇から覗く白い歯、影のある長い睫毛。その全てにドキドキする。

 「なっちゃん、もうどこにも行かないでね。僕にはなっちゃんしかいないんだ。」

 静かなムードの中、礼司の少し高い声だけを聞く。礼司の大きな掌が私の頭を撫でた。だんだんと日中の疲れが、忍び寄ってくる。

 「なっちゃん、いつも僕は顔で判断されてたんだ。皆んな僕の外見とステータスだけで寄ってきた。でも僕はね、運動が特別できるわけじゃないし、社交的でもない。皆んな失望し、悪口を拡散する。でもなっちゃんは、損得関係なしに僕に優しくしてくれた。期待を押し付けることもない。頑張り屋さんで、正しくて、誠実ななっちゃんにだから惹かれたんだ。なっちゃんを好きになってよかった。なっちゃんは、僕といて楽しそうにしてくれる。そんな人だから、僕の全てをかけたいと思ったんだ」

 真っ直ぐな好意を向けてくれる幼なじみに、わたしは温かい気持ちになる。

 「礼司の良さは外見や能力だけじゃないよ。何も欠けてるところなんてない。礼司は素直で優しいから、皆んな甘えて礼司を疲弊させるんだよ。私は礼司といられて幸せ。ずっと一緒にいようね」

 私は幸せを感じながら、そう言った。それがお互いを泥沼にはまらせると、まだ私たちは知る由もない。

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