世界の真理
この小説に対して、感じる違和感。そんなのはいくらでもある。だが、終始感じ続ける違和感。何か小説というには乏しく、どちらかといえば手記に近いような。そんな雰囲気を感じてしまう。
そして、渦に飲まれる。まるで、世界が沈むかのように。
目が覚めると、そこには箱が置いてある。二つの箱が。周りに多くの人が現れる。それも考え込んでいる人間が。そこで一声。
「おめざめかい?僕はかみさまとでも言っておこうかな。ここはノイマンの部屋。二つのあり得ない状態は表裏一体にある。その選択を箱によって具現化した部屋、それがここさ」
そして後ろから男が現れた。
「君たち人間には選択肢がある。全く反対の選択肢が。ここにある箱には君たち一人一人の分岐点の少し後が設定されている。入るも入らないも君たち次第。どちらを選ぼうと誰も否定できない。なぜなら、ここに二つのどっちを選ぶ要因は一つも用意されていない」
周りの人間がざわめきだす。一人がつぶやく。
「もう考えなくていいのか」
その言葉によってその周りの人間がどんどん箱の方へ向かっていく。その時、自分の中に感じていた違和感の正体に気付く。
周りの人間の悲壮感や空気の抜けきった目、オーラが希薄な感じ。一度死に至ろうかとまで考え、なお今も決めかねている人間たちだということに。
ただ考え詰めて起こす行動程度のものなら引き込まれることはないのだろう。人の生き死に関係するような悩みを抱えている、そんな人間がここに招かれ運命をゆだねる。言うなれば、人生の分岐点に立っている人間は、あの神(仮)によって振り分けられ最終段階へと進んでいくのだろう。
ふいに横に目をやったとき、目頭が熱くなると同時に自分の中の何かが壊れるのを感じた。
「ここ、どこ?なんていってたの?」
「あっあっうぁああああああ」
そうか、思考力が劣るものは基本的に行動を共にしている人が呼ばれてしまうと一緒に来てしまうのか。そんな勝手な推察をしつつ、考えていた。
自分も死にたいとも考えたし、一度はそっちに踏み切ろうかとも思った。けど、思いとどまったし、ここに来た記憶もない。呼ばれた理由がわからない。そこにさっきの神(仮)の後ろにいた男が現れる。
「君はこの世界の理を知っているのか。知らないまま生きるのか」
「あんたは知ってるのか。どうせ何も知らないくせに」
男は笑う。
「この状況で噛みついてくるとは、傲慢というべきか...それには少し足りないか」
「お前がこの空間と世界の仕組みを作ったのか」
「そうとも言えるし、違うともいえるといっておこうか」
後ろから少年が現れる。
「おーい、こんなとこで何してるのノイマン。また見聞でも深めてるのかい」
「その名は捨てた。今はアリアと呼んでもらおうかノア」
「君こそ僕のことはトムと呼んでくれないと」
「この子からは僕たちと近いものを感じるよ、ジップ」
「なんでそっちで呼ぶかな、ティーヴァ。でも、それはいい収穫かもね」
「ああ、昔の私を見ているようだ。だが、まだ浅い。固定概念にとらわれている」
関わらないほうがいいのかもしれない。けどなぜかここにいたほうがいい気がした。
第六感という奴だろうか。言ってしまえばこんな第六感だけで動かなければいけない部屋で第六感てのも変か。
「このタイミングでも自分のことか。ほんとに傲慢だなあ。まあそのほうがありがたいんだけど」
「??」
「やっと見つけた傲慢だ。さっさと連れて行くぞ」
「説明もないのか」
「もう、せっかちだなあ。ま、いっか。見たほうが早いよ」
そう言って、少年が手を挙げる。
箱が消え、周りにいた人たちもすべていなくなった。
「全員元の世界線の少し先の世界に戻ったはずだよ」
「たまに異世界に飛び込んだ感じがする日があるのはこれのせいか」
「そうとも言えるけどお前の場合はちょっと違うかもな」
「そろそろつくよ。またシストに怒られるよ」
世界が反転するように回った後、円卓の机が見える。
「十二円卓とはまたべたな、そういうしょうもないのなら、遠慮したいんだけど」
「君は世界の真理を見たいんじゃなかったのかな」
「ここが真理ともいえるんだけどね。知ったらどうなるかな?」
「変わらないだろ。そんな奴なら選んでないよ」
「そうだね、じゃあいこうか」
円卓の方に歩き出し、人影が見えた。
セリフ多いとキャラの個性出さないと誰がしゃべってるかわからなくなるっていうのが、難しいなあって思いました。小説家さんってすごいなーって感心を勝手にしてました。円卓って中二臭いなって思いながら自分で書いてたら、なんだか楽しくなってきました。最近某アニメの続編を見てたんですけど、らせんの玉を大きくするシーンでエロ仙人が出てきてて泣きそうになりました。なんか世代だなーって感じると年寄りに感じてきます。あと、アニメ好き特有のあ、あのキャラの声優だとか思っちゃいますよね。ポンポン続編上げてる人すごいなと感心しながら今日も沼り続けます。