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15年の最後の日

お母さんと一緒に買い物から帰ってきた僕は今までにないくらい疲れていた

特にお母さんが悪ノリした下着はすごい疲れた

もーお母さんとは買いに行かないと心に誓う

家に帰りお父さんが出迎えてくれた


「友理、母さんお帰り。色々買ってきたか?」


お父さんは僕とお母さんの持っている荷物を持ってくれてリビングまで運んで紅茶を淹れてくれた

そこであることに気がついた

なんかこの紅茶苦いな…


「お父さん、この紅茶ちょっと苦いよ。いつもより濃く入れた?」


お父さんはキョトンとした顔して僕に入れた紅茶を飲み首を傾げて


「友理、紅茶そんなに苦いか?それに入れたときはいつもと同じ量だぞ?」


僕はもう一度飲んだがやっぱり苦い

砂糖を入れて飲み直したら美味しい〜ってなったけど違和感を感じていた

前から砂糖なんて入れてたっけ?


「お父さん僕っていつも紅茶に砂糖入れてたっけ?」


「いや入れてないぞ。いつも友理は無糖を美味しそうに飲んでたじゃないか」


僕はハッとなった

もしかして体や性別だけじゃなく味覚も変わってる!?

よくよく思い返して見たら僕そんな甘い飲み物も食べ物もそんな好きじゃなかったのに今はむしろ甘いものが欲しくてたまらない


「もしかして友理、甘いものが好きになったの?」


本当にこういうことに関してはお母さんは鋭い

女の勘ってやつなのかな?

僕にもいずれそういうのが出てくるんだろうか

紅茶を飲んで明日の引越しの為の準備をするために自分の部屋に戻った

部屋に入ると部屋には自分が男の子だったときの面影が残っていた

自分にはまるで残ってないけど部屋には残っている、でもそれも今日まで…

明日にはこの部屋はなくなり僕の男の子としての面影は消えてくる

そう思うと自然と涙が出てくる


「あれ?僕なに泣いてるんだよ?新しい家でも僕は自分の部屋を作ればいいのに」


女の子になってから涙腺もおかしくなってきちゃったのかな

その時トントンとドアをノックする音が聞こえた


「姉ちゃん入ってもいい?」


僕は急いで涙を拭いドアを開けた


「どうしたの?」


アキラは僕の部屋をあまり訪れることはない

仲が悪いわけではないけど来るのは珍しかった

アキラは下を向いて黙っていたけど顔を上げて僕の顔を見た

そして僕に抱きついてきた


「ア、アキラ?」


「ごめん姉ちゃん、でも今日だけは…」


あ、そうかアキラも僕とおなじで寂しいんだね

そうだよねアキラも僕と同じくらいこの家に住んでるんだから寂しいよね

僕に抱きつくアキラの頭を優しく撫でた


「姉ちゃん前より柔らかいね」


一瞬殴ろうかな?って思ったけど僕も寂しくて泣いてたからアキラの気持ちも分かるし今日はそっとしておいて上げよう


「姉ちゃん今日は久しぶりに一緒に寝ない?」


「いいよ、僕も少し寂しかったから」


姉ちゃんとしては寝るのは初めてだけど突っ込まないでおこう

アキラは僕を姉ちゃんと呼びながらもにいちゃんだった頃の僕を忘れてはいないから


こうして僕はアキラと久しぶりに一緒に眠りについた

明日は引越し新しい家はどんな家なんだろう?

そして僕のこれからの生活はいったい…


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