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男子の面影消える

友理は鏡に映っている自分の顔を見てこんらんした


「えー!なにこれ!?これが僕??」


自分で言うのもなんだけど鏡に映っているじぶんは誰が見ても美少女と言えるほど可愛い女の子だった

髪は肩まで伸びて胸は多分そこらへんに歩いてる女の子より少し大きいくらい、身長は平均より少し低く

顔は童顔で見た目高校生に見えるか分からないくらいだ


「よくマンガとかで朝起きたら特殊能力とかが付いてる設定とかあるけどそれに近い感じなのかなぁ?」


バカバカしいことを考えてると後ろからお母さんの声がした。


「友理?起きてるの?」


ヤバい、この状態をどう説明しよう?

女の子になったことは事実だからそこは目を背けられないけどそもそも僕を友理だと信じてくれるのか?

でも結局会わないといけないから今は流れに任せるしかないと思った


「えーっと、お母さんおはよう…」


お母さんは一瞬だけ僕を見て目をこする

そりゃそうだよなー自分の息子がいると思ってたのにそこにいたのは女の子だもんなー

なんて思ってたがお母さんの言葉を聞いて驚いた


「もしかして…友理なの?」


「え、そ、そうだよ」


正直驚いた。「あなた誰!?泥棒!?」とか言われるかなーって思ってたのにまさかいきなり自分の名前が出てくるなんて


「友理あなたその格好女装に目覚めたの?」


僕は朝だというのにすごい勢いで突っ込んだ


「アホか!例え女装してたとしても自分の部屋から出てこないし僕にそんな趣味ないわ!」


「ご、ごめんなさい」


僕の予想外の突っ込みに驚いたのか素直に謝ってきた

でもまだ問題は残っている、お母さんはなんかよく分からないうちに納得してくれたけどお父さんはどうなんだろ?

それに弟の反応も怖かった因みに弟の名前はアキラである


「ねえお母さん、お父さんにはどう説明しよう?」


お母さんはまるで考えずに軽く言ってきた


「どうって普通に今の状況を説明すればいいじゃない。あなたが思ってるよりお父さんは柔軟な考えを持ってるわよ」


お父さんってそんな柔軟だっけな?って思ったけど今は自分の方が重要だからスルーした

そうこう考えてる内にお父さんが起きた音がした

僕とお母さんはお父さんに説明するためリビングにむかった

リビングに入ると眠そうにしながらコーヒーを入れてるお父さんを発見。お父さんもこっちに気づいたが僕を見て目を丸くした


「母さん?その隣にいる女の子は?ウチに娘なんていたっけ?」


お母さんはお父さんの反応に体を震わせて笑っていた

あんたも僕を見た時同じ反応似たような反応してたけどね?


「くくっ、お父さんこの子友理よ。くくっ」


笑いすぎだよって僕はちょっとイラっとしていた

お父さんはお母さんの言葉の意味がまだ理解できてないみたいで頭の上に「?」がいっぱい出てそうな顔をしてた

お母さんの反応にイラっとしたけど僕も少し笑ってしまった

僕とお母さんの反応を見たお父さんは慌てていた


「え?え?なに二人して?本当にその女の子は友理なのか?」


お母さんが軽く僕を肘で突いた


「う、うん女の子の姿だけど僕は友理だよ」


お父さんは口を開けて思考停止したように固まって数秒たってからようやく我に戻ったらしい


「えー!友理お前どうしたんだ!?そんな可愛くなるなんて俺が知ってる友理の面影ないぞ!」


「いやあのーお母さんはすぐに僕だって気づいたんだけど」


僕がそう言ってお母さんの方を見たら満足そうにドヤ顔していた


「え!母さんはすぐ友理だと気付いたのか?」


お母さんは腕組みをしてドヤ顔のまま


「そりゃ自分の息子だもん!例え姿が変わっても気付くよ」


お父さんはお母さんの言葉に無言になってしまった

そして僕の方を向き僕に近づいてきて…

ギュっと僕を抱きしめた


「ちょっ、お父さん!?どうしたの?」


突然抱きつかれて僕はビックリして固まってしたまった

お父さんは僕が固くなったので離して肩を掴み


「ごめん友理。女の子になってもお前だと気付かなくて…母さんはすぐに気づいたのに」


すごい泣きそうな声で言ってきたのでさすがに僕はあせってしまった


「お父さんきにしてないから泣かないで」


お父さんをなぐさめながら今更自分の声って高くなったーって呑気なことを思っていた

そうしていたらリビングのドアが開いて眠っていたあきらが起きてきた

アキラはアクビをしながら入ってきた


「ふぁ〜あ、おはよ…う!?」


アキラは僕を見て文字通り目を丸くしていた

これまた説明するのかーって正直すごい面倒くさい

アキラは上を向きなにか思い付いたような顔で僕に向かい


「もしかしてにいちゃんの彼女さん?あのにいちゃんには勿体無いくらい可愛い!」


僕は自分ではそんなイケメンでもないし普通の男だと自覚していたけど人に言われるとムカつく

まだ言われたわけじゃないけど多分勿体無いくらいって言ってたからそういう意味だろう


「勿体無くて悪かったな」


アキラは「え?」って顔をして


「その感じもしかしてにいちゃん?」


「そうだよ」


アキラはお父さんと同じく数秒考えて上をまた向いた

その姿を見てやっぱり親子だなーって思ってたけど僕もお父さんの息子?なんだよね

今はどっちなのか分からないけど


「にいちゃんが美少女になった!あんなにどこにでもいそうな男だったのに!」


結局こいつ言ったよどこにでもいそうって

僕は笑顔だったけどアキラは僕の怒りを少し感じたみたいで少し後ずさった

そこで黙っていたお父さんが相談してきた


「なあ、友理が女の子になったことは分かったんだけどこれからは友理を女の子として扱っていいのか?」


お母さんはそのことに頷き


「確かにそうねぇ…これを機に友理を女の子として育ててみようかしら?」


論点違ってない?って僕は思いたまらず反論をした


「ちょっと待って、女の子として扱うとかじゃなくてどうやったら男に戻れるかを考えるべきじゃなくて?」


アキラは笑いながら僕の方じゃなく両親の方に同意してきたよ


「なに言ってるの?姉ちゃん」


ん?今アキラ僕のこと姉ちゃんって言わなかった?

ついさっきまでにいちゃんじゃなかった?

ぼくの聞き間違えかな?


「ねえアキラ今なんて言った?」


アキラは僕の言葉に首をかしげて同じ言葉を言ってきた


「いやだからなに言ってるの?姉ちゃんって」


…やっぱり聞き間違えじゃない!

こいつ僕のことをさっきまでにいちゃんって言ってたのに今は姉ちゃんって言ってきた!


「アキラ!今姉ちゃんって!僕はにいちゃんだよ?」


「なに言ってるの姉ちゃん。今の姉ちゃんの姿どっからどう見ても女の子にしか見えないよ?にいちゃんじゃないじゃん?」


いや待て待てウチの家族僕を女の子として扱うの早すぎでしょ。そもそも女の子になった僕がまだ受け止めきれてないのにどうして両親と弟はもう受け止めてる?

さっきお母さんが柔軟とは言ってたけど柔軟すぎない?

軽くパニックになってる僕を差し置いて家族は話を進める


「ねえやっぱり女の子になったから服とか買いに行かないとダメじゃない?」


やけにウキウキしてるお母さん

なんでそんな楽しそうなの?


「そうだなーてことはもう一緒はお風呂入れないのか」


いやいや男だったら入ろうと思ってたの?

僕もう高校生だよ?高校生になっても親と入る人いないでしょ?

まあもしかしたらいるかもしれないけど僕はもうはいらないよ

てか中学生になってから一緒に入ったことないけど


「よっしゃー!新しい学校にはいったら可愛い姉ちゃんいるって自慢してやろ!」


よせ、確かにまだ知ってる人がいない分マシだけどもし可愛い姉ちゃんいるって言ってそうでもないなーって思われて恥書きたくない

自分では可愛いとは思ったけど他の人から見たらどう見えるか分からないからね


「ねえ!そうと決まれば友理!服を買いに行きましょう!」


「いつ決まったの?僕まだ女の子として受け入れてないし服も買うと決めてないんだけど」


「女の子がごちゃごちゃ言わない!」


そこは男じゃない?って思ってる僕を無視して腕を取り引きずっていくお母さん

結局買い物に連れていかれるのであった


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