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第6話 そして始まった俺達の青春

バンド名が思いつきませんでした

時刻:深夜2時ほど。

場所:Steraの楽屋。

空気:何とも言えない。

とまあそれが今の状況。


「……」


「アンタまだ驚いてるの?」


「だってさ……」


はなびの質問に言葉を濁しながら答える。


「Steraが女だったんだぞ!?」


「その話はもう止めろ!」


Steraが大声で止める。


「どうして?」


「それは俺が男でいたいからだ!」


Steraの良く分からない返しに俺は言葉がつまる。

しかしそんな俺達を黙って傍観している者がいた。

……俊哉だ。


「あのさ」


そんな俊哉が俺達に口を開いた。

みんな一斉に俊哉の方を向く。


「そろそろ本題に入った方がよくないか?」


俊哉が俺達みんなに言う。


「そうだ!」


Steraが叫ぶ。

仕方ない……訳ではないが、俺達は本題に入った。


「えーと……カイから話は聞いているか?」


Steraのセリフに二人は頷いた。


「その……一緒にバンドやってくれるか?」


「……まあそれはいいんだが……」


俊哉は少し考えながら言った。


「どうして俺達と組みたいんだ?」


「魂さ」


「え?」


はなびが首をかしげる。

まあかくいう俺もだったけど。

コイツは少し頭が変だからな。


「俺は俺と同じロックの魂を持つ奴を探していた。そしてやっと一人見つかった。お前だ」


「え!?」


俺がSteraに指を差された。


「そして……えーと……」


「俊哉。橘俊哉」


「水島はなび」


俊哉とはなびが自己紹介する。

そういえばこいつらまだそんなこともしていなかったな。


「その俊哉とはなび……って呼んで良いか?」


「ああ」


「もちろん」


俊哉とはなびはある程度Steraを信用しているようだ。

まあそれは俺のせいでもあるということを俺は気づかないが。


「俊哉とはなびも同じなんだ。二人には熱い魂が宿っている。俺の求めている、な」


みんなSteraの話を黙って聞いていた。


コンコン


「はい」


そのとき突然ドアがノックされた。


「Steraさん、そろそろここ閉めますが」


「あ、すいません。じゃあ続きは例の場所で話すぜ」


「例の場所?」


はなびが首をかしげる。

まあ無理も無い。

俺は大体見当がつくが。

そしてSteraに連れられて俺達はカラオケに向かうのだった。




「それで……どこまで話したっけな?」


カラオケボックスで俺に話をふるStera。


「俊哉とはなびも同じなんだ。二人には熱い魂が宿っている。俺の求めている、な……までだ」


俺はスラスラと述べた。


「よく覚えてたな」


「コピペ」


「メタネタ言うな!!」


ゴンッ


「いだっ!」


何かはなびに殴られた。

確かにメタスマン。あ、いやメタスマンと言うのは……


「で、俺はその……二人とバンドをやりたいんだ」


「……いやまあ……その……何だかんだいっても私は素人だよ?」


はなびが少し言葉を濁す。


「別にそんなことは関係ない。俺は売れるためにバンドをやるわけじゃない。お前達とバンドをやりたいんだ」


Steraの思いが直に伝わってくるような気がする。

俺はそう感じた。

Steraの音楽に対する思いは本物だ。


「う〜ん……カイはどう思う?」


「へ?」


いや、突然話をふられても……

俺はそれに戸惑った。


「う〜ん……俺はSteraの音楽は好きだし、はなびの歌も好きだ。だから正直二つが合わさるとどうなるのかな?と思う気持ちはある」


「そう……わかった!私はやります!Steraさん、一緒に音楽やりましょう!」


はなびは迷いを振り切ってSteraに言う。


「ありがとう」


「俺ももちろんやってもいいが……」


俊哉は言葉を濁す。


「どうした?」


俺はそんな俊哉に質問する。


「はなびちゃんはVo。SteraさんはGt。だとすると俺はBassになるのか?」


「そこのところは……後で決めよう。まだ時間はあるし」


Steraは先のことを何も考えていないようだ。

らしいといえばらしい……のか!?


「よし!これでメンバーは揃ったな」


「へ!?」


何かSteraが変なことを言ったような……


「頼むぜリーダー」


「やっぱりリーダーはカイよね」


「まあな」


「おい」


何か俺もメンバーになってるらしいんですけど。


「しかもリーダーかよ!?俺音楽なんて全然知らないぞ!?」


「いやいやドラムを齧ったことはあるだろ」


「ドラマニのためにね!」


俺はドラムマニアを攻略するためにドラムをやった経験がある。

まあしかし……


「俺そのときすごい下手だったよ!?」


「そうだな」


俊哉は否定しないらしい。


「まあ下手でもこれから上手くなればいいじゃない。メジャーデビューしたのにまだベース弾けない人だっているんだから」


「……」


はなびも追撃をかける。


「Stera、何とか言ってくれ」


俺はあろうことか、Steraに助けを求めた。


「これからよろしくな、リーダー」


「そっちかよ!!」


かくして俺達のバンドが結成された。

一応名前はまだ保留にしてある。

そんな名も無いバンドが始動したのが……この夜のことだった。




俺とはなびとSteraと俊哉の青春が始まったのだった……





いろいろとすいません。


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