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第5話 その絶叫は俺の鈍さ

単独更新第1弾ははなび編です!(理由は「生徒会な日々」の第100部分に掲載中です)

これが連載終了したらすぐに別の作品の執筆を再開します。

あの出会いの後、俺がSteraと知り合いになったことを俺は俊哉とはなびに話した。

そのときの二人の反応は今も俺の頭に残っている。


「ええええ!?」


これがはなび。

かなり大きな声で驚いていた。


「そ、そうか……」


俊哉はどちらかというと呆気に取られていた。

まあこんな反応。

で、今俺は何をしているのかというと……




「みんな!盛り上がって行こうぜ!」


そう、俺達はSteraのライブに来ていた。夜中に。


「でも一体どうして俺達を……?」


俊哉が首を捻った。


「ああ。実はお前達二人に話があるんだ」


「話?」


今度ははなびが首をかしげる。


「実は……」


俺は昨日のことを思い出した。




俺は昨日、突然夜中(深夜)にSteraに呼ばれて例のカラオケに来ていた。

ちなみに俺は寝ていたので強引に起こされたわけだ。

そんな時間に電話掛けんなよ……とか思いながら俺は結局行ったわけだ。


「で、夜中3時にわざわざ何だよ?」


夜中3時と言うことなので、Steraがライブをやっている今は深夜12時を過ぎている。


「ああ。実はな、少し頼みたいことがある」


「はあ?」


俺は見当も付かなかったので、首を捻るだけだ。


「実は……悩みがあるんだ」


結構真剣な顔をしていたので、俺も真剣な顔をする。


「バンドを組みたいんだ」


「組めば良いじゃん」


俺は即答した。


「それが出来ねえから悩んでだろうが!」


Steraがバン!とテーブルを叩いた。


「いやいやあなた結構な人たちに誘われていましたよ」


俺は数日前のことを思い出して言った。


「……そうじゃねえんだよ。こう見えても俺、結構音楽に関してはうるさいぞ」


「いや、見たまんまうるさそうだよ!」


「そうか?」


「そうだよ!」


俺とSteraがこんなどうでもいいやり取りをしていると話が進まないので、Steraは一旦話を止めてタバコを吸う。


「とにかく俺は音楽にはうるさいんだ。お前もそう見えるって言っただろ?じゃあ何で俺がこんなに悩んでいるか分かるよな?」


長いセリフをSteraは噛まずにしゃべった。


「……魂の叫びか」


「そうそう」


俺的には魂の叫びって事が良く分からないんだよね。

魂で何を叫ぶんだろうね。

ていうか魂って何だろうね。


「そこでだ。お前、いい人材探して来い」


「はぁ?どうして俺が?」


今の俺は何か面倒ごとを押し付けられた会社の同僚って感じ。

……もっと分かりやすい例えは無かったんかい。


「俺はお前を比較的信用している」


「どうして?」


こうも信用されると逆に怖い。

レイのときといい、さや先輩のときといい……


「はぁ?魂に決まってるだろうが」


「意味わかんないし!」


「まあお子様にはまだ早いか」


「お子様じゃねえよ!」


「じゃあ何だよ。王子様ですか?」


「うんそうそう……んなわけないだろ!」


「……お前ノリツッコミもう少し練習した方がいいぞ」


Steraが深刻そうな顔で言う。


「ほっといてくれ」


俺は少し恥ずかしかったので目は合わせなかった。


「ま、とにかく頼んだぞ」


「はあ……」


で、結局ヘタレな俺は折れたわけだ。

そして考え付いたのはこの二人。

歌の上手いはなびとギターをやってる俊哉。

で、今に至るわけである。




「……それってさ」


「俺達を」


「バンドに」


「誘ってる?」


「お前らいちいち言葉途切れさせなくていいから!」


俺は妙に息のあっている二人にツッコミを炸裂させた。


「で、実際どうなわけ?」


俺ははなびに詰め寄られた。


「はなびは歌が上手いだろ?」


「そ、そう……?」


はなびは少し照れながら言う。


「俊哉はギターやってるだろ?」


「……まあ」


「だからだ!」


俺は二人に向かって胸を張ってみた。


「「安直すぎだ!」」


「へ?」


何か二人に怒られました、はい。

俺何か悪いことしたのでしょうか?


「でもまあ面白そうだからやってもいいけど」


「まあな」


「そ、そうか……」


俺は知らなかった。

これが俺への気遣いだということを。


「じゃあ早速ライブが終わったらSteraの楽屋に行こう」


俺は二人にそう言った。

そして俺達は再びライブに目を向けた。




ライブが終わり、俺達はSteraの楽屋へと向かった。


コンコン


「入るぞ〜」


ガチャッ


「ちょっと待て〜〜〜!!!」


扉の中からSteraの高い声が聞こえた。


「え……」


「キャー!!見るな!ドアをさっさと閉めろ!!」


「あ、ああ……」


俺はすごい光景を見てしまった。

いや、俺達がだ。


「アンタね……」


はなびが拳を握り締める。

しかし俺はそんなことを考えている余裕など無かった。

だってSteraが……女性物の下着をつけていたんだ!!


「まさかSteraが女装趣味があったなんて……!」


「え〜〜〜!?そっち!?」


何故かはなびが絶叫する。


「お前、それは鈍感すぎるだろ」


「へ?」


俊哉にも何か突っ込まれる。


ガチャッ


Steraが出てきた。

まあ顔が真っ赤だが。


「どうした?」


「どうしたじゃねえだろ!」


Steraが思い切り俺を睨みつける。


「アンタまだ気づかないの?」


「はぁ?」


はなびが相変わらず俺を睨んでくる。


「Steraは……女の子だったのよ!」


「えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!?」


俺は今度こそ本気で絶叫したのだった。






「オイ。結局話し進んでねえな」


俊哉が最後にそう呟いていた。







少しコメディになりました。

えーと……頑張ります。

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