眠るまで、こうしててもいい?
せみしぐれに命のたくましさを聴き、鳴り止めば儚さを思い扇ぐ手が止まる。
背を預ける樹が降らす光と影がざっと風に散らされた。一瞬の清涼感の後に訪れたうだる暑さに汗を拭う袖を、君がつんと引く。
催促してるのだ。
――眠るまで、こうしててもいい?
そうねだった私に、起きるまで扇いでて、と甘えたのは君。
面映ゆい膝の重みに染まる目尻を緩め、気持ちよさそうに眠るかおをもっと見てたくて、私は扇ぐのを再開した。
せみしぐれに命のたくましさを聴き、鳴り止めば儚さを思い扇ぐ手が止まる。
背を預ける樹が降らす光と影がざっと風に散らされた。一瞬の清涼感の後に訪れたうだる暑さに汗を拭う袖を、君がつんと引く。
催促してるのだ。
――眠るまで、こうしててもいい?
そうねだった私に、起きるまで扇いでて、と甘えたのは君。
面映ゆい膝の重みに染まる目尻を緩め、気持ちよさそうに眠るかおをもっと見てたくて、私は扇ぐのを再開した。
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。