ヒロシは数学を愛さない
「数学なんて勉強してなんの役にたつんだ?」
子共が言うなら可愛いけれど、
人を導く立場である教師がそんな発言をしたらダメだろう。。。
しかし、とある私立高校に務める男性体育教師ヒロシはそのセリフが口癖だ。
子共の頃から数学が大嫌いで、サイン・コサイン・タンジェントの呪文が出てきた辺りから、
ヒロシは勉学の世界から目を背け、肉体を極める道に歩き出した。
「微分積分をやるくらいなら、セブンイレブンに行ってやる!」
意味のわからない寒いギャグだけは得意だ。
周りの空気を乱す寒いギャグも、夏の日差しには効果的かもしれない。
そんなこんなで、夏がやってきた。
ヒロシの指導するサッカー部は今年も夏の大会に出場する。
ところがここで問題が発生した。
赤点を取った生徒は大会に出ることができないのだ。
今年のレギュラー陣は揃いも揃って数学音痴。
特にエースの2人が仲良く赤点を取ったものだからさあ大変。
なんとか大会前に追試をしてもらい、赤点を取り消して貰おうと、
ヒロシは数学教師に直談判を決行した。
「頼む!追試を受けさせてやってくれ!」
ところが、学校一の頑固者とも噂される数学教師は
なかなか首を縦に振らない。
そんな態度に腹を立てたヒロシは更にまくしたてた。
「数学なんて勉強してなんの役にたたないんだし、
数学者になるわけでもないんだから、別にいいだろ!」
そのセリフを聞いた数学教師はゆっくりとこう尋ねた。
「では、先生の指導する生徒さんたちはみんなサッカー選手になるんですか?」
全国のヒロシさん。ごめんなさいm(_ _)m
名前の訳は、、、わかりますかね?




