無駄を省いてラクして書こう!
お久しぶりです。
半年以上そのままでしたが、ようやく書けそうなネタを見つけたので久しぶりの投稿です。
これからも何か面白そうなネタがあればちょっとずつ更新していくつもりです。
さて。おおまかなプロットを立てた、物語を書き始めた。
ところが、随分前に打ち込んだ文章が、未だにスクロールされずに画面の中に居座っているのを見て、やる気が萎えてしまう。
心情、行動、アクシデントなどを頻繁に切り替え考えて、スローモーションの映像を作る作業。
結果集中力を使い込んで、進んでないのに頭は疲労気味。
そんな状況に嫌気がさし、執筆時にテンポよく書こうとして場面あたりの文字数を減らす。
すると、描写が不足して薄っぺらい作品になってしまう。
最初はやる気でしのぐものの、次第にどんどん更新間隔が伸びていき――最後は未完で更新停止。
こんなことを経験したことはありませんか。このような結末は避けたいものです。
未完作品にならないためには、どんなことをすればいいのでしょうか。
人によって理由は変わってくるかと思いますが、私なりの考えを書いてみます。
まずは結論から。
結論:ラクして書こう!
プロットがあっても未完で終わってしまう場合の理由を考えてみました。
他にもいろいろあるかと思いますが……
1.面倒臭くなってきた+疲れてきた
2.書きたい衝動が下火になってきた
3.新作の構想が……
4.諸事情でやむなく執筆停止→忘れる
ここでは、最も厄介な1番の問題を考えていきます。
(以下は全て個人的見解です。万人に当てはまるとは限りません)
更新停止の理由:面倒臭くなってきた+疲れてきた
原因:面倒臭くなってきた
対策:執筆環境を見直してみる
まずは、執筆環境や書き方を工夫してみるといいかもしれません。
特に問題なのは、執筆にとりかかるまでの手間と、文字変換の面倒さだと思います。
携帯電話からの執筆は、スキマ時間があればいつでも執筆できるため、手軽で便利です。
反面、キーボードと違って高速入力がしにくく、間違えた時の訂正が面倒かと思います。
書きたいことはたくさんあるのに、入力が遅くて手間に感じてしまう……そう感じているなら、執筆スタイルをPCなどの、より高速に入力できる方法に変更してみる事をお勧めします。
なろうでは、メール執筆、txtファイルアップロード、サイトで直接編集という3つの方法があります。
このうちいずれかの方法で投稿すればいいだけで、執筆スタイルそのものは自由です。
気を付けなければいけないのは、携帯→PCなど、画面の中に表示できる文字数が大きく変わってしまう場合です。
携帯執筆では見やすかった書き方が、PCで見るとスッカスカに見えて、書き方がいきなり変わってしまう。
なんの前置きもなく変わってしまうと読者が「?」となってしまうと思うので、書き方が大きく変わるときは、前書きに一言書いておいたほうがいいでしょう。
PCで執筆している場合も、手間を改善できるはずです。
(1).小説を保存しているデータにアクセスするまでの手間がかかる場合。
「ファイルを種類や目的に応じて分類分けしているけれど、階層がちょっと深くなっている。ファイルの場所までたどり着くまで何回かフォルダを移動しなければいけない……」
こんな場合は、デスクトップにショートカットを作っておくと便利です。
執筆しているファイルやフォルダを右クリックで「コピー」を選択後、デスクトップなど任意の場所で右クリック、「ショートカットの貼り付け」を選択すると、ショートカットが出来上がります。
正しいフォルダを選択しつつ深い階層に潜っていくのは、意外と面倒です。
(2).使っているソフトの立ち上がりが遅い場合
執筆からは外れてしまいますが、PCは使っているうちにどんどん遅くなっていきます。
PCそのものが遅い場合は、ハードディスクのデフラグをすると起動が高速化されます。
デフラグとは、バラバラになったルーズリーフのデータを、一から順番に並べて整頓する作業のことです。
バラバラになったルーズリーフを毎回拾い集めるより、順番にまとまっていた方が効率的なのは、PCでも同じです。
小説や詩は文字だけなので、テキストエディタを使うと便利です。
太字や斜線などの文字修飾はできませんが、txt形式でファイルを保存するので、ファイルサイズがコンパクト。
ファイルをそのままアップロードでき、またワード等に比べて軽快である場合が多いです。
*豆知識*
読む速さを500文字/分と仮定すると、ファイルサイズが読了時間になります。
例えば1KBのテキストファイルなら、読了時間は約1分です。
12.8KBなら、12分と、60秒×0.8分=48秒。
足して約12分48秒と分かります(13分弱で十分ですよね……)
ついでにファイルサイズ(KB単位)に500を掛けると文字数になります。
日本語を一文字表すのには、2バイト(0.002KB)が必要です。
これが1分ぶん=500文字あると、2バイト×500文字=1000バイト、つまり1KB。
偶然の一致ですが、どれぐらい書いたかの目安になっていいですね。
ただ、500文字/分の前提が崩れると、これは成り立ちません。
ちなみにアルファベットは1文字1バイトです。
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(3).漢字の誤変換がうっとうしい場合
PCはローマ字入力が基本ですので、ひらがなを漢字に変換します。
この漢字に変換するソフト(IMEといいます)の作りが悪いと、ひらがなを意図しないおかしな区切り方で変換してしまい、正しく入力するのに手間をかける事になります。
ここに面倒さを感じているときは、IMEを変えてみるのもひとつの手です。
特にいじっていなければ、WindowsならMicrosoft IME、MacならことえりというIMEが標準で入っています。
乗り換える対象の漢字変換ソフトとして、有名なところにATOKやGoogle日本語入力があります。
携帯電話のような予測変換機能がついているものもあるので、比較的少ないキー入力で執筆可能です。
Google日本語入力は、仕組み上ときおり間違った用法が出るので注意です。
親切なのか迷惑なのか、「ふんいき」だけでなく、誤読の「ふいんき」からでも「雰囲気」と変換できてしまいます。
ATOKはそんなことはないそうです。
*小まとめ*
・ファイルへのアクセスする手間を省こう
・使っているソフトを見直してみよう
・IMEを変えてみよう
→やりやすい執筆環境で、「面倒」を取り除こう!
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それでは二つ目の原因。小手先の面倒よりこちらの方が本題だったりします。
原因:疲れてきた
対策:一度にいくつも考えない
人間の脳は大きく右と左に分かれていますが、二つのことを同時に深く考えることは困難です。
乗り物を運転しながらの機械操作が危険だと言われているのは、注意が分散して運転に集中できず、結果として重大なミスを起こしやすいからです。
よく物語で、主人公が誰かと話をしているときに別のことが気になって、相手に注意される場面があります。
現実でも、何かに夢中になっていて返事が途切れ途切れになるなんてことがあります。
どうやら、人間は物事を同時に考えることは難しいようです。
小説を書く。
一言でいえばそれだけのことですが、それを実現するには色々なことを考えなければいけません。
キャラクターの心情や動き、景色、表現、誤字脱字、プロットにどうやって話を乗せていくか、分かりやすいか、読みやすいか――考えることはとても多いです。
疲れてしまう原因に、これらのことを執筆と同時に考えていることが挙げられると思います。
一つの場面であれもこれもと考えながら書いていると、考えた割には文字数が少なく、進んでいないような気がして嫌になりがちです。
しかも考えることを頻繁に切り替えるので深く考えられず、疲れも溜まる。
こうなると「これは後でいっか」と、つい妥協したくなってしまいますよね。
……もしや私だけ?
コホン。
そこで提案するのが、「小プロット」、それから「まとめて考える」という方法です。
その前に、執筆中に考えることを私なりに大きく4つに分けました。どれも必要なものばかりです。
*執筆系*
ストーリー系
物語をこの一話でどう進めるか、どこまで区切るか。全体のプロットにどう乗せるか、など。
気持ち・状況・行動系(物語に必要な描写)
今現在の環境はどうか、何がどうなっているか、主人公やキャラクターはその時何を思い、どう行動するか、など。
背景系(物語をイメージさせやすくする描写)
天候や、物語に関係ない周囲の一般人や建物、騒音など。
*確認系*
文章系
読みやすさや比喩表現、テンポや誤字脱字誤用など。
今やろうとしているのは、これらをその場で交互に考えるという大変な作業を楽にやれるようにする工夫です。
ステップ1:小プロットで全体像を把握!
物語の大きなプロット(予定表)を作ろう、という話を前にしましたが、それと同じものを一話単位で作ろうよって話です。つまりストーリー系を最初に考えます。
大プロットでは結論から組み立てていく方法を説明しました。
小プロットでもそれは重要で、どこで話の区切りを付けるかをまず先に考えます。
国語の授業で、物語の区切りで大切なのは、「時間」「場所」「登場人物」と習ったと思います。知らない人は覚えてるとどこかで得するかも。
小プロットを立てるには、
「今回は一話でここからここまで書くぞ!」
と決め、「時間」「場所」「登場人物」、それから重大なシーンや必要な通過ポイントなどを節目にし、現在地から終点までを繋げます。
ここで誰かがケガをする、何かを手に入れた、こんな意味深な行動をとった(伏線)、といった感じで節目は出来るだけ細かく作った方が楽です。
こうすると、書かなければいけないものが浮き出てきますので、話がグダグダになりにくくなります。
小プロットも、頭で考えるより書き出す方がいいです。減らせる負担は減らしましょう。
一話の流れが見渡せるので、どの辺で話を区切ろうかなーと思いながら平行して書くのに比べて、頭の中が格段にスッキリします。
*ヒント*
小説本文を書いていて、「ちょっと文字数が多くなっちゃったな」という時は、適当な節目で話を区切って、以降を次話の小プロットに持ち越すこともできます。
逆に、これじゃあ文字数少ないわ、なんてことになるとプロットを継ぎ足さなければいけないので二度手間。
なのでちょっと長めに作った方がいいと思います。
なんなら、1話ごとに作るのではなくて、2話とか3話ごとにして、まとめて作っちゃうのもアリですね。
ちょっと大変かもしれませんが、こうするとキャラクターが少し先のことを考えた行動を取りやすくなりますね。
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ステップ2:まとめて考えちゃえ!
さて小プロットを作りました。でも執筆は待って。このステップを終わらせてから。
実はまだ小プロットは未完成。
というのも、小プロットで書いたのは細かくても重要なポイントのみ、骨組みです。
ここで気持ち・状況・行動系と背景系を考えます。
二つの系統を同時に考えてるじゃんって?
……まあ似たような系統ですし? 一くくりで言えば描写系って言えますし? ←逃げた
とにかく、小プロットに物語のイメージに必要なものを加えます。
節目に矢印を引いて、「ここはこういう状況で、こういう天気や雰囲気で、ここには誰がいて、キャラクターはこの節目についてこんな風に思っていて――」と、書き加えていきます。
考える順番としては、状況によって簡単に変わると思いますが、
天候や、物語に関係ない周囲の一般人や建物、騒音など
↓
各キャラクターを取り巻く状況
↓
各キャラクターの動き、心理、発言
といった感じでしょうか。関係のないものから次第に重要なものを考えていきます。
絵に例えるなら、まず最初に遠くの山々を描き、次に近くの小屋や木を描き、最後に一番近い人物を描く感じです。
この順番で考えると、場面をイメージしやすいと思います。
キャラクターの気持ちは、主人公だけでなく他のキャラクターになった気持ちで一話の流れを眺めると、
「あ、このキャラはこう思うだろうって思ってたけど、実はこんなこと思ってたんだ」
みたいな発見があったりなかったり。
こういうところを把握して執筆に反映すれば、キャラクターが生きてきやすいと思います。
そして、お膳立てした小プロットを見ながら、小説本文を書いていきます。
考えながら書くよりも作業がはかどって、文章に集中しやすいと思います。
私の場合、この書き方で最速1時間あたり約1000文字のペースで執筆することができました。
もともと遅筆なので、私としては結構速い方です。ここらへんは個人差がありますね。
展開や情景、心理状態などを先に考えてあるので、それに沿って進めていくだけ。
描写も以前より豊かで描きやすくなっているかと思います。
あまりガチガチにやるのも味気ないので、小プロットに影響がない範囲でアドリブを入れたり、他愛のない小話を入れたりしてもいいですね。
それから詳細な展開を書き出すことで、途中長時間席を外すような用事ができたとしても、再開時に何を書こうとしていたのかを思い出すという面倒を軽減する特典ももれなく付いてきます。
やること多い! なんて思うかもしれませんが、どれも最後には結局執筆する時に考えるものばかり。
これだけのものを脳内で同時に処理しようとしていたのですから、執筆に疲れて当然かもしれません。
今までその場で交互に考えていたものを整理して、気持ちなら気持ち系統、場面なら場面系統でまとめて考えるので、切り替えが減ってきっと楽になります。
確かに、小プロット作成から執筆までの一連の作業にかかる時間は、やり方を変える前に比べると時間がかかるかもしれません。
10分間全力疾走するのと、20分間ウォーキングするのと、選ぶならどっちがいいか、というお話に似ていますね。
(私も最近気づいたんです)
*小まとめ*
1話~3話ごとの「小プロット」を作って細かな展開を書き出そう!
キャラの心情や背景、動きも小プロットに書き出して、頭の負担をできるだけ減らそう!
******
「好き」のやる気はいつまでも続いていたいものですね。
将来のことを考えて、ちょっと投資をしてみませんか。
*まとめ*
執筆環境を見直して、「おっくう」や「面倒」、「イライラ」を軽減しよう!
執筆しながら同時に考えるのは疲れやすい。
「小プロット」と「まとめて考える」で無駄な疲労を取り除こう!
一言でいうなら、「展開を完成させてから執筆しよう」
******