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空は笑い、そして落ちる

作者: 須藤ハヤ

 耳の奥で、数十人の小人が挽歌を歌う。眼の前を閃光が走り、身体が宙に浮いた様な感覚が襲ってくる。寸秒で、痛みも苦しみ、何も感じなくなる。


 これで最後だ。そう思って、手にする注射器には、いつも、薬が入っている。

命を削り、心を削って、手にするのは罪と痛みだけ。後には何も残らず、悲しむ人間が背中を叩く。


 頭痛の割れる様な痛み、胸を撃ち抜かれる幻覚。夢破れた自分には、楽に死ぬ事すら贅沢だ。

悲鳴を上げる身体は日に日に痩せ。悪魔はより深くまで、心を引きずり込む。


「俺は生きているのか?」

長い静寂の中で見る光景は、夢なのか。

 夜な夜な眠れない夢を見る。目が覚めて続く、黒い夢


 今日もまた空が笑い、落ちてくる。

死ぬ事に意味があるのなら、その意味を教えてほしい。俺はなんの為に生き、何の為に死ぬ。閉ざされた監獄の中で、ふと前を見据えれば、自身の愚かさに胸が縮む。生きている、幸せか不幸か、決めるのは自分しだい。


 見上げた空は、あまりにも大きく。そして、黒かった。

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