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落下生  作者: はじめ


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落花生

あずかり知らぬところで花をつけられ生ったものです

目を覚ましたのは明るい場所だったような気がします

それも朧げ(はたして明るかったのか暗かったのか)

いつしか暗い土中へ潜り以来ずっと視界は真っ暗です

わからぬことばかりでわからぬなりにわかろうとしました

どこからともなく現れる鼠がこの実を齧るので

ぼろぼろと実は欠けてゆくし

鼠どもから身を隠すのに精一杯で

わからぬことを考える暇もなくして

今や油ぎってひからびた種子

もう芽は出ない

ここから出たくない

暗いままいつのまにか終わっていたい

齧らないで

掘り起こさないで

引きずり出さないで

私は豆粒だが

その目で勝手に豆粒だと断ずるな

その目を一つ残らず潰してやりたいが

私にはそのための自由な手足がない

ならばせめて身を守らんと筋張った殻を更に更に固く引き攣らせたのに

かんたんに握りつぶされるのです粉々に

適当に食い物にされ粉々に噛み砕かれて

豆粒の一つとしてそれ相応にあっけなくこの世から消えるのです


なんてくだらない落花生

なんてくだらない落花生

暇つぶしにもならない

腹も膨れない

花がなければ生りもしなかったものを

そのときすでに私に自由はなかった

なんてくだらない落花生

花がなければ落ちもしなかったものを

二度と生りはするな

二度と生りはするな

生りたくない

生りたくない

生りたくない

生りたくない

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