3 異世界にレッツゴー
いいな〜翼で飛べるの
息を切らしながら整備されていない森をひたすら歩く姫藍
「仕事先って何処だよ…」
1時間前
ヴェールが連絡して姫藍について話すと即採用!!偶然か必然か、姫藍は一安心
「丁度近くに来てて連絡ついたからここの道をまーすぐ行って左に曲がると栄えた街が見えてくるからそこで、宿ライトを探してそこに泊まってるメーティリアって人を受付の人に言うんだよ。良い?」
少し不安な姫藍
「はい…」
ヴェールは、その気持ちを汲み取って
「念の為あっち側からも迎えが来るみたいだから安心してね」
と声をかけてくれた。
姫藍はどうせ翼があるなら飛んでみたくて、ヴェールが仕事先に連絡してる時に練習したが全く飛べなかった。
「私もメジロさんみたいに飛べれば良いんだけどな」
さっきまでニッコリしてた、メジロの顔が急に変わって真剣な顔をしながら
「その事だけど、その翼は本当に信頼できる人にしか見せないで。普通の翼じゃないから、じゃっそうゆうことで僕は仕事に戻るから。リュックどうぞ」
夏祭りに持って行ったリュックだ。姫藍と一緒にリュックがあったらしい。
遠くから男性の声が森に響いて聞こえる
「ヴェール先輩、どこに居るんですかー?今大変なことになってるので早く帰ってきてくださーい!!」
「新人のランチか、僕にも迎えが来ちゃったみたいだから。また会おうね」
と、手を振りながら戻っていった…
姫藍はメジロさんの言葉に引っかかる
「また会おうね……そういえばあの例の女も言ってたなって事はこの世界でまた会うんだ…それまでにまた刺されないようにしないと…」
そして、今に至る
「道をまっすぐってどれくらいまっすぐ何ですかメジロさん…異世界も簡単じゃないな、せっかく絵本みたいに翼があるのに飛ぶな見せるなって…でも、便利なのは翼を意識しなかったらコンパクトサイズの翼になって邪魔にならないんだよね。」
下を向いて歩いていた姫藍、また独り言をしていると何かにぶつかって転んでしまった。
「痛っ、すいません…」
見上げると、背の高い若いロングヘアの女性でめっちゃ真顔 恐ろしいくらいに。
「迎えに来た、着いてきて」
「えっ?」
ボサッとしてると、手首を掴まれて連れて行かれた。
10分ほど歩くと、メジロさんの言う通り栄えた街が見えてきた。
「わ〜凄い、いやいやこの中に犯人が居るかも知れないし…」
人々をガン見してると
「あんまり他の人をジロジロ見るな、不審者と思われる」
(確かに人をジロジロ見るのは良くないけど、この人言い方キツい…着てる服はクールで可愛いのに)
と思う姫藍
いきなり立ち止まる、背の高い女性
「着いた、入るぞ」
着いた建物は洋風の木造建築でカントリーって感じ。
階段を使い2階に上がって藤の花の扉の前に止まった
「入る前に一つ、中に居る人の脚について絶対話すな」
「理由聞いて良いで……」
「約束、もし破ったら…」
と言いながら扉を開けた。広い部屋の真ん中にベッドがあって奥にはキッチンが見える。そのベッドに黒髪の女の子がいて、ベッドの横に杖が置いてある。
女の子が目を開けて、ゆっくり起き上がった。
「やっと来た、スィロワありがとう。さぁ貴方がヴェールから紹介された人かな?」
(見た目に反して口が達者、もしかして私と年齢近いのかな…)
「は…はい、姫藍です。よろしくお願いします」
「私の名前はメーティリア・メーンフクで、そっちはスィロワ。機嫌が悪いのはごめんね」
(1人は優しそうな人で良かった…もう1人の人はちょっと…)
そう思いながら、スィロワを見ていると。
目をそらされてキッチンの方に行ってしまった…
それを見てメーティリアが
「スィロワは悪い人じゃないんだよ。ただ無理言って来てもらってるから…、姫藍ちゃんは仕事について質問ある?」
姫藍は食い気味に答えた
「給料は、給料は!!どれくらいですか?」
メーティリアは引き気味に答える
「給料はこの国の平均よりちょい上くらいかな。特別な力があったりするともう少し高くなるけど、私は魔法が少し使えるから少し高いの。姫藍ちゃんは特別な力あったりするの?」
(特別な力…翼はメジロさんに見せるなって言われたし、目?かな異世界だし見せちゃえ!!)
「この目とか?でしょうか」
メーティリアは目をキラキラさせながら勢い良くベッドから降り杖をつきながら至近距離で姫藍の目を見る
姫藍は驚いたが、メーティリアの脚についてもっと驚いた。
だって、メーティリアの脚の周りだけに紫色の霧が漂っているから。
(これがスィロワさんが言ってた、脚の事…なんだ)
「確かにこの目は綺麗で珍しい、ビューリルフの石みたい。で、どんな力があるの?」
このキラキラした目の人に、何も力がないとは言いにくい姫藍。
「えっと…特にこれと言った力はないですがそのビューリ?なんちゃんちゃらの石に似てます!!」
それを聞いて、メーティリアの目のキラキラが徐々に消えてベッドに座る。
メーティリアの脚の霧は、脚が動くたびついて行って脚が全く見えない。
姫藍がメーティリアの脚ばっかり見ていると、メーティリアが気付いて
「この脚気になるでしょ、もうちょっと仲良くなったら教えてあげてもいいかな」
「はあ…一つ聞いてもいいですか?」
と姫藍はメーティリアに聞くと、キッチンにいたスィロワが包丁を持ちながらこっちを見ている。
緊張感が漂うが、姫藍はメーティリアに聞く
「今って朝ですかね?」
包丁を持ったスィロワはキッチンにゆっくり消えていく。
「いや昼だよ、今スィロワがランチ作ってくれてるよ。スィロワが作るご飯は見た目は置いといて味は美味しいんだよ。」
スィロワがキッチンから料理を両手に持ち出てきて
ベッドの横にある小さい机に料理を置く。
「聞こえてる」
「ありがとう、スィロワ」
「ありがとうございます…」
机に置かれた料理の見た目は…虫が入っていてどろっとしている。
姫藍は見た目恐怖を覚えながら2人が食べたのを見て、恐る恐る口に運ぶ。
「これは!?この見た目に反して、シンプルイズベストのお味です!!」
「虫食べれるんだね、好き嫌い分かれるから安心〜」
スィロワは黙々と料理食べて、窓際にあるソファーに寝た。
スィロワが寝てるうちに、メーティリアと姫藍は色んな話をした。
「この世界にはね、色んな部族がいて私達は翼族で他には猫族 人族 魔法族が居るんだよ。」
「どの部族が1番多いとかあるんですか?」
「1番多いのは人族で次に翼族で魔法族、1番少ないのは猫族なんだよ。敵対してる所とかもあるし見かけてもむやみに話しかけないほうが良いかもね」
「この世界でも、色々あるんですね」
「言い忘れてたけど、仕事場はちょっと遠くて今日はこの宿に泊まって明日の朝イチに出発するから頑張って早起きして!!じゃあ私はちょっと用事が…」
メーティリアが右手に杖を持ってベッドから立ち上がり、部屋を出ようとする。
「メーティリアさん何処か行くんですか?」
「う…うん、せっかく実家の近くに来たから寄ろうと思ってついて来る?」
「スィロワさんはいいんですか?」
「スィロワは誘っても来ないから、私も体痛めてるから付いてきてほしいな。さぁレッツゴー」
スィロワを宿に置いて、メーティリアと姫藍はメーティリアの実家に行くことになった。
読んでくれてありがとうございます。
スィロワ、メーティリア、姫藍は無事に仕事先まで辿り着けるのでしょうか?次回はメーティリアの実家に見知らぬ人が!?